アストラゼネカ開発のワクチン問題 EUが18日の会合で対応決定

アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐって、接種後に血栓が確認されたなどとしてドイツやフランスが予防的に接種を見合わせると発表しました。会社側は安全性を強調していて、EU=ヨーロッパ連合の医薬品規制当局は今週18日に会合を開いて今後の対応を決めることにしています。

アストラゼネカなどが開発したワクチンをめぐっては、接種後に血栓が確認されたケースがあるなどとして、ヨーロッパの一部の国が接種を見合わせていて、15日には、ドイツやフランス、イタリア、それにスペインの政府が予防的な措置として接種を見合わせると発表しました。

各国とも、EUの医薬品規制当局のEMA=ヨーロッパ医薬品庁の対応を待って接種の再開を判断するとしています。

これについてEMAは、今週18日に臨時の安全委員会を開き、今後の対応を発表する方針を明らかにしました。

これまでEMAは「ワクチンを接種して得られる効果のほうが接種しないリスクを上回る」としています。

また、イギリスは今後も接種を続ける方針を示しています。

アストラゼネカ「安心して使用できる」との声明発表

オックスフォード大学と共同でワクチンを開発したアストラゼネカは、14日、科学的な根拠に基づいてワクチンを安心して使用できるとする声明を出しています。

声明では、EU=ヨーロッパ連合やイギリスでこれまでに接種を受けた1700万人以上のデータを確認した結果、年齢や性別、ワクチンの製造時期などによって血栓症などのリスクが高まる根拠は見つかっていないとしています。

そのうえで、安全性は最優先だとして今後も状況を注意深く見ていくとしています。

緊急使用の許可審査 米でも近く始まる見通し

アメリカのNIH=国立衛生研究所のフランシス・コリンズ所長は15日、ロイター通信とのインタビューでアストラゼネカのワクチンの緊急使用の許可の審査がアメリカでも近く始まる見通しだという認識を示しました。

一方、ヨーロッパの一部の国が接種後に血栓が確認されたなどとしてアストラゼネカのワクチンの接種を見合わせていることについてコリンズ所長は「ワクチンを接種された人のほうが血栓ができる割合が多いかどうかはまだ明確になっていない」と述べるにとどめています。

WHO 各国の報告評価し議論

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は15日の定例の記者会見で、アストラゼネカなどのワクチンの接種後に血栓が確認されたとの報告を受けて複数の国が予防的に接種を見合わせていることを把握していると述べました。
そのうえでテドロス事務局長は「必ずしもワクチンの接種と関係があるとは言えず、調査は日常的に行われることだ」と述べました。

そして、ワクチンの安全性を調査する国際的な諮問委員会が各国からの報告を評価していて、16日に会合を開いてさらに議論すると明らかにしました。

また、主任科学者のスワミナサン氏は「ワクチンの安全性は最も重要だ」としたうえで「100%、完全に安全なワクチンは存在せず、100万人に1人の割合で問題が起きることもある。しかし何百万人もの命を奪っている病気から人々を守ることの利益について考える必要がある」と述べ、接種によるメリットがリスクを上回るという考えを強調しました。