解除要請で意見分かれる 緊急事態宣言の埼玉・千葉・神奈川

緊急事態宣言の期限まで1週間を切る首都圏の1都3県の知事たちが現状について考えを示しました。小池知事が改めて対策の徹底を呼びかけました。一方、3県の知事は宣言解除の要請について意見が分かれています。

東京 小池知事「基本対策守り 医療従事者の負担減らす行動を」

東京都の小池知事は記者団に対し「都は今、検査や調査をより強化していて、医療提供体制を拡充するために病床数の確保を進めている。ただ、コロナ病床を確保すると、ほかの疾病の方が入院できなくなるおそれがある」と述べました。

そのうえで「やはり、『感染しない、感染させない』ということに戻ってくる。基本的な対策を守ることが医療従事者の負担を減らすということを意識しながら行動していただきたい」と呼びかけました。

埼玉 大野知事「解除要請する状況に至っていない」

埼玉県では政府に解除を要請する目安として県内の新規の陽性者数と入院患者の数、それに隣接する東京都の状況の3つの指標を設けています。

大野知事は15日、記者団の取材に応じ、1週間の平均で県内の入院患者が500人以下という目安に対して14日時点の入院患者は569人、また1週間の新規の陽性者は人口10万人当たりで7人以下という目安に対して、14日の時点で11.5人と、いずれも目安を大幅に上回っていることを報告しました。

これについて、大野知事は「新規の陽性者数が増えてきているなど、リバウンドの兆候を示していて、残念ながら現時点では緊急事態宣言の解除を要請する状況に至っていない」と述べ、現段階では解除の要請をする考えがないことを示しました。

千葉 森田知事「予定どおり解除できるよう対策徹底していく」

千葉県内では14日時点で病床の使用率が38.8%、1週間の新規の感染者は人口10万人当たりで18.93人で、国の指標のステージ3相当となっていて、県は宣言の解除に向けてステージ2相当まで近づけたいとしています。

森田知事は、記者会見で「拙速に『もう大丈夫』と判断することにはならない。予定どおり解除できるようより一層注意喚起を行い、対策を徹底していきたい」と述べました。

そのうえで県民に対し、飲食をともなう花見は控えるよう呼びかけました。

神奈川 黒岩知事「解除の方向が見えてきている」

神奈川県の黒岩知事は15日夕方、記者団に対し「下げ止まりと言いながらも県内の患者数は少しずつ下がっている。1都3県が共通で進むべきだと思うが、私は解除の方向が見えてきていると思う」と述べました。

この中で黒岩知事は、県内では病床使用率が依然としてステージ3の段階にあることについて「県内では病床のひっ迫具合の指標がステージ3だが、ステージ2に近いところまで来ているし、他の指標はステージ2だ。神奈川だけを見ると解除できる条件が整っている。1都3県は共通して進むべきだと思うが、私自身は解除の方向性が見えてきていると思う」と述べました。

そのうえで「いま街の様子を見ても皆さんの様子を見てももう我慢しきれないという状況ではないか。宣言そのものの効果が薄れてきていると思う。いったん解除して、ただそのうえで対策を徹底してもらいながら段階的に規制を緩めていくのがよいのではないかと思っている」と話しました。