“宣言”解除は変異ウイルス対応など踏まえ判断 田村厚労相

首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言をめぐり、田村厚生労働大臣は、感染者数の減少が鈍化していることに懸念を示したうえで、解除するかどうかは、変異した新型コロナウイルスの監視体制や病床確保の状況などを踏まえ判断する考えを示しました。

今月21日が期限となっている首都圏の1都3県の緊急事態宣言をめぐり田村厚生労働大臣は、閣議のあと記者団に対し「1都3県で、感染者数の下げ止まりや増える兆候がある。変異株が継続的に各地で見つかっており、十分な対策を打たなければならない。水際対策をしっかり進め、検査体制も強化することなどが重要だ」と指摘しました。

そのうえで、「『これ以上増やさない』という体制を組むことを前提に、解除するかどうか最終的に判断する。病床使用率についても、どれぐらい下がってきているのかなど、全体を見ながら、専門家の意見を聞いて判断する」と述べました。

一方、田村大臣は、収入が少ない子育て世帯に対し、臨時の給付金の支給を求める声が出ていることについて「緊急事態宣言を延長した中で、それぞれの家庭の状況なども見ながら最終的に検討、判断する」と述べました。

尾身会長 下げ止まり・上昇は「行動の変容」が原因

政府の分科会の尾身茂会長は、衆議院厚生労働委員会で新規感染者数の下げ止まりや一部地域での上昇について「比較的高齢の『アクティブシニア』が昼間のカラオケなどで感染したり、宣言が解除された地域でも、比較的若い人たちの行動が元に戻りつつあるという『行動の変容』が原因と考えている。変異株の発生が、どれだけ下げ止まりに関係があるかは、注意深く見なければならず、モニタリングを今まで以上に強力に進めていかないといけない」と述べました。

一方、クラスター対策として、高齢者施設で行われる検査について「1回だけの検査では、ほとんど意味がないので、インターバルを置いて、キャパシティーが許すかぎり、何度もやったほうがいいのは当然だ」と述べました。