「3つの変異ウイルスの感染 世界で拡大」WHO 報告書 公表

WHO=世界保健機関は、イギリスや南アフリカ、それにブラジルで確認された3つの変異ウイルスの感染が世界で拡大しているとする報告書を公表しました。

報告書では、変異ウイルスを含めて新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためには、個人の取り組みとともに社会的な感染対策が引き続き極めて重要だと指摘しています。

報告書によりますと、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの報告があった国や地域は9日の時点で、前の週に比べて5つ増え、111に上っているということです。

南アフリカで最初に確認された別の変異ウイルスの報告があった国や地域は、前の週に比べて3つ増え58、ブラジルで確認された別の変異ウイルスも3つ増え、32となっています。

また、3月7日までの1週間に報告された世界全体の新型コロナウイルスの感染者の数は、前の週に比べて2%多い273万4381人となり、2週連続で前の週を上回りました。

国別では、感染者の累計が世界で2番目に多いインドで9%の増加、3番目のブラジルで11%の増加、イタリアで24%の増加となっています。

このうちブラジルでは、1週間当たりの新たな感染者数が最も多い状態で、死亡率も高くなっていますが、報告書では、これが変異ウイルスによるものか、いわゆる医療崩壊によるものか、あるいはこの両方によるものか判断することは難しいとしています。

一方、この1週間に亡くなった人の数は世界全体で6万323人と、前の週に比べて6%減り、5週連続で前の週を下回りました。

報告書では、変異ウイルスを含めて新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためには、個人の取り組みとともに社会的な感染対策が、引き続き極めて重要だと指摘しています。