「本当に実施していいのか」聖火リレー辞退のパラ金メダリスト

東京オリンピックの聖火ランナーを辞退した、パラリンピック競泳の金メダリストが、名前を明かしてNHKの取材に応じ「新型コロナの感染拡大の収束が見えない中で、聖火リレーや東京大会を本当に実施していいのか疑問がある」と心情を話しました。

神奈川県伊勢原市出身で全盲の秋山里奈さんは、競泳、視覚障害のクラスでパラリンピック3大会に出場し、ロンドンパラリンピックで金メダルを獲得、神奈川県の聖火ランナーに選ばれていましたが、今月になって辞退を申し出ました。

秋山さんはNHKの取材に応じ、辞退の理由について「過去に出場した選手なのによくそういうことを言えるなと思われる怖さはあるが、新型コロナの収束が見えない中、聖火リレーや東京大会は本当にできるのか、実施していいのか疑問がある」と述べました。

そのうえで「今、日常生活にすごく制限がある中で、海外から選手を呼ぶことが本当に現実的なのか。感染拡大を防ぐには大きなイベントは控えなければいけない。選手の中には練習が思うようにできていないという不平等も生まれている。パラリンピアンというより国民の1人として不安と疑問を感じたので、辞退を決断した」と話しました。

一方で秋山さんは、自身がアテネパラリンピックで銀メダルを獲得した種目が次の北京パラリンピックで実施されなかった経験をあげ「自分が目指してきた舞台がなくなる悔しさや苦しみは少しは分かるつもりだ。一緒にパラリンピックに出たり、ともに戦ってきたりした仲間たちが、東京大会に向けてどれだけ頑張っているか分かっているので、疑問があると公表するのはすごく考えた」と、苦しい胸の内を明かしました。