心筋梗塞 病院到着から手術までの時間延びる傾向に コロナ影響

新型コロナウイルスによってほかの医療に影響が出ることが懸念されていますが、緊急手術が必要な心筋梗塞の患者が病院に運ばれてから手術を受けるまでの時間が去年4月以降、延びる傾向となっていることが医師のグループのまとめで分かりました。

これは、心筋梗塞などの治療にあたる医師らで作る「神奈川循環器救急研究会」が神奈川県内の25の医療機関を対象にまとめたものです。

この中では、新型コロナウイルスが本格的に広がる前の去年1月から3月までの期間と、感染が拡大した4月から12月までの期間で、患者が病院に到着してから手術までにかかった時間を調べました。

その結果、いずれも中央値で、3月までは64分だったのに対し、4月以降は72分と延びる傾向になっていたことが分かったということです。

心筋梗塞の手術開始は病院到着から90分以内が1つの基準とされていますが、90分以上かかったケースも増えていたということです。

研究会によりますと、感染を調べる検査や受け入れの準備などには一定の時間がかかることから、心筋梗塞が疑われるときはなるべく早く受診してほしいとしています。

神奈川循環器救急研究会の世話人で、東海大学医学部の伊苅裕二教授は「1分でも早く対応したいが、ぐっとこらえて感染対策を徹底している。コロナ時代の医療として、余分に時間がかかることを想定して対応を考えていく必要がある」と話しています。