米 ミャンマーに輸出規制の追加制裁「加害者たちに責任を」

ミャンマーで軍のクーデターに抗議するデモ隊への暴力が激しさを増していることを受け、アメリカのバイデン政権は、ミャンマーの国防省や軍に関係する大手企業などに対してアメリカ製品の輸出を事実上禁止すると発表し、追加の制裁に動きました。

ミャンマーでは、軍のクーデターに抗議するデモ隊に治安部隊が発砲を繰り返し、国連の発表でこれまでに50人以上が死亡するなど多数の死傷者が出ています。

こうした事態を受け、アメリカ商務省は4日、新たな対抗措置として、アメリカ企業からの製品の輸出を事実上禁止するリストに、ミャンマーの国防省や内務省、軍と関係する大手企業2社を加えると発表しました。

また、軍事転用のおそれがある品目のミャンマーへの輸出規制を強化するとしています。

商務省は声明で「アメリカはクーデターの加害者たちに責任を負わせ続ける」と強調したうえで、さらなる制裁も辞さない構えを示し、軍側を強くけん制しました。

バイデン政権はこれまでにミャンマー軍のトップを含む軍の幹部ら12人と、今回、禁輸措置の対象となった大手企業の傘下にある3社に資産凍結などの制裁を科していますが、追加の制裁に動いた形です。

クーデターを起こしたミャンマー軍への対応について、バイデン政権は同盟国や友好国を中心に協議を続けていて、国際社会とも連携しながら軍への圧力を強める方針です。

制裁対象の2社 軍幹部支配の大手複合企業

新たにアメリカの制裁の対象となったミャンマー軍と関係する大手企業2社については、国連人権理事会の調査団がおととし、報告書を公表しています。

この2社は「ミャンマー・エコノミック・ホールディングス」と「ミャンマー・エコノミック・コーポレーション」で、ミン・アウン・フライン司令官など、軍の幹部が支配する大手複合企業だとしています。

報告書では、この2社の傘下に100社以上の企業があり、不動産やホテル、金融など幅広い業種を手がけ、その収益が軍の活動の資金源にもなっていると指摘しています。

日系企業では大手ビールメーカーの「キリンホールディングス」が「ミャンマー・エコノミック・ホールディングス」と合弁事業を手がけていますが、キリンは軍のクーデターを受けて提携を解消する方針を発表し、協議を始めています。
現地のNGOの元幹部で、軍と関係する企業に詳しいモ・モ・トゥンさんは「軍が直接、関わっていないとしても、軍人の家族などが関わる企業も含めれば、その割合はミャンマー国内の企業の8割程度になると推測している」と述べ、ミャンマー経済における軍の影響力の強さを指摘しています。

そのうえで、こうした企業が国内で多くの土地や建物を所有し、賃料収入を得ているなどとしたうえで「軍の権利や権限を使って経済活動を行う際に有利になる仕組みが存在する」としています。

一方、モ・モ・トゥンさんは、アメリカなどが今後、さらに経済制裁を強めた場合について「軍と関係がある企業は国際社会に溶け込もうとしているが、制裁の対象になればビジネスの拡大が難しくなる。このため、制裁は一定の効果がある」と話しています。