ニュージーランド沖M8.1の地震 日本では多少の潮位の変化も

日本時間の5日午前4時28分ごろ、ニュージーランドの北側にある南太平洋のケルマディック諸島を震源とするマグニチュード8.1の大きな地震がありました。
気象庁は午前10時8分、「日本の沿岸では多少の潮位の変化があるかもしれませんが、津波の被害の心配はありません」という情報を発表しました。

ハワイにある太平洋津波警報センターから、気象庁に入った連絡によりますと、5日午前4時28分ごろニュージーランドの北側にある南太平洋のケルマディック諸島を震源とするマグニチュード8.1の大きな地震がありました。

この地震について気象庁は、日本への津波の影響があるかどうか調べていましたが、震源地周辺の観測データを解析した結果「日本の沿岸では多少の潮位の変化があるかもしれませんが、津波の被害の心配はありません」という情報を発表しました。

気象庁によりますと、潮位の変化が予想されるのは北海道の太平洋沿岸東部から沖縄県の宮古島・八重山地方にかけての太平洋側を中心とする広い範囲で、高さはいずれも20センチ未満と予想されています。

海面変動が予想される時間帯は、早いところで午後2時半ごろで、1日程度は続く可能性が高いということです。

太平洋津波警報センターによりますと、今回の地震では、ニュージーランドのグレートバリア島と、バヌアツのタンナ島でいずれも30センチの津波を観測しているということです。

震源地周辺では昨夜から規模の大きな地震が相次いでいて、日本時間の4日午後10時半ごろにはニュージーランド北島の東の沖合を震源とするマグニチュード7.3の地震が、5日午前2時半すぎにはケルマデック諸島を震源とするマグニチュード7.4の地震が起きていました。

震源地付近は「ケルマディック沈み込み帯」

ニュージーランドの北側で起きた今回の地震について、ニュージーランドの沖合で地震観測をしたことがある東北大学の日野亮太教授は「今回の震源地付近はニュージーランドの北島から北へ2000キロ以上連なる『ケルマディック沈み込み帯』と呼ばれ、プレートの沈み込みに伴って地震活動が活発な領域で、この規模の地震が起きてもおかしくない場所だ。北島の東にある『ヒクランギ沈み込み帯』では過去に津波被害が起きたこともあり、ニュージーランドでは一帯での地震や津波に警戒している」と指摘しました。

また日本への津波の影響については「今回、陸に上がってくるような津波になることはほぼないとと考えられるが、遠地で発生した津波はおさまるまでの時間が長くなりやすいので沿岸や海中で作業している人は気象庁が出す情報にふだんより注意を払ってほしい」と話していました。

そのうえで、日本から離れた場所で起きる「遠地津波」について「1960年の『チリ地震津波』など過去にも被害を伴う遠地津波が発生している。北太平洋のアリューシャン列島から中米、南米にかけての太平洋沿岸部は広くプレート境界地震が起きやすく、地震の規模などによっては日本にも津波が来るおそれがある。日本の沖合で起きる地震より、津波が来る頻度は高いと思ったほうがよく、遠地の津波には今後も注意してほしい」と述べました。

専門家「海中作業など念のため注意」

今回の地震と津波について、津波のメカニズムに詳しい、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は「陸側のプレートと海側のプレートの境界で起きた地震で、地震の規模もかなり大きかったが、ずれ動いた傾きが緩やかだったことなどから陸側のプレートがあまり跳ね上がらず、津波がそれほど高くならなかったとみられる」と指摘しました。

そのうえで「日本から離れた地域で起きた大地震では、海面の変動が長く続く場合がある。海の中での作業などの際は、念のため注意してほしい」と話しています。

周辺地域では津波観測も

この地震で、オーストラリアとニュージーランドの間にある島で56センチの津波を観測しました。

ニュージーランドの防災当局によりますと、これまでのところけが人や建物への被害などの情報は入っていないということです。

USGS=アメリカの地質調査所によりますと、日本時間の4時28分ごろ、ニュージーランドの北のケルマディック諸島沖の海域でマグニチュード8.1の地震がありました。

NOAA=アメリカ海洋大気局によりますと、この地震でオーストラリアとニュージーランドの間にあるノーフォーク島で日本時間の午前7時39分ごろ、56センチの津波が観測されたということです。

また、ニュージーランドのグレートバリア島やバヌアツのタンナ島で30センチの津波が観測されたということです。

NOAAは震源に近いケルマディック諸島の沿岸では、この後3メートルを超える津波のおそれがあるとして厳重な警戒を呼びかけています。

また、ニューカレドニアやバヌアツの沿岸で最大で3メートルの津波のおそれがあるとして警戒を呼びかけているほか、南太平洋や太平洋の広い地域の沿岸でも最大で1メートル程度の津波のおそれがあるとして注意を呼びかけています。

震源地の周辺では日本時間の5日未明にもマグニチュード7以上の地震が相次ぎました。

ニュージーランド北島の北東部にあるホテルを経営する女性はNHKの電話インタビューに対し「ホテルは頑丈な地盤の上に建てられていて、ふだん地震が起きても揺れをほとんど感じないので、今回は驚いた」と話していました。

ニュージーランドの防災当局によりますと、これまでのところけが人や建物への被害などの情報は入っていないということです。

ホテル経営者「とても長く感じた」

ニュージーランド北島の北東部にあるホテルを経営する60代の女性はNHKの電話インタビューに対し「最初の地震で目が覚めた。1分ほどぐらぐらと揺れ続け、とても長く感じた。ホテルは頑丈な地盤の上に建てられていて、ふだん地震が起きても揺れをほとんど感じないので、今回は驚いた」と話していました。

地震発生直後、宿泊客や付近の住民が車や徒歩で高台に避難したということですが、現在はそれぞれホテルや自宅に戻ったということです。