聖火ランナー 著名人ら辞退の公表相次ぐ 20都県で30人超に

3月25日に福島県でスタートする聖火リレーでは、各地で著名人などランナーが辞退していたことが相次いで明らかになっています。

著名人の辞退をめぐっては、
▽愛知県で走る予定だったお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんが先月、大会組織委員会の森喜朗前会長の発言について「『有名人は聖火リレーでたんぼを走ったらいいんじゃないか』といった発言は人の気持ちをそぐ」などとして辞退を表明しました。

その後、愛知県では、
▽将棋の藤井聡太二冠が、将棋に向き合うためとして去年11月に辞退を申し出ていたことも明らかになりました。

そして、聖火リレーのスタートまで1か月を切って、各自治体が改めてランナーを発表する中で「スケジュールが合わなくなった」などとして、著名人が辞退したケースが次々と明らかになっています。

自治体によりますと、俳優では、
▽石川県で常盤貴子さん
▽茨城県で渡辺徹さん
▽沖縄県で玉城ティナさんが辞退し、

歌手では、
▽福井県で五木ひろしさん
▽大分県でシンガー・ソングライターの阿部真央さんが、辞退しているということです。

スポーツ界では、
▽栃木県でラグビーワールドカップで活躍した田村優選手
▽熊本県で大関 正代が、大相撲夏場所を考慮して辞退しています。

また、
▽山梨県では映画監督の成島出さんが辞退しています。

著名人以外の辞退も次々と明らかになっていて、森前会長の女性蔑視ととれる発言を受け、
▽福島県の50代の男性と
▽長崎県で男女共同参画の研究をしている大学院生の女性が辞退したほか、
▽神奈川県では「開催について疑問に思っていることがあり辞退したい」と1人が申し出たということです。

このほか、開催の延期に伴い、
▽仕事や進学で都合があわなくなり辞退したケースのほか、
▽健康上の理由や、本人が亡くなるなどして走れなくなったケースもあり、
著名人と合わせると、これまで自治体が明らかにしただけでも、少なくとも20都県で30人を超えています。

専門家「どうすれば価値を最大にできるか 具体像示す必要」

オリンピック・パラリンピックの運営などに詳しい奈良女子大学の石坂友司准教授は、事前合宿の受け入れを断念するホストタウンが相次いでいることについて、「オリンピックの価値は多くの国の方とのふれあいや地域の住民と選手の交流が大きな魅力だったが、この状況でそうした魅力を求めることは難しくなっている。オンラインでやりとりするなど可能性は残されているが受け入れは厳しい状況になっていくと思われる」と指摘しました。

また、聖火ランナーの辞退者の公表が相次いでいることについては「当初は聖火リレーが全国を駆け巡れば開催に期待をする人が増えると予想されていたが、オリンピックの開催意義に多くの人たちが疑問を持ち始めている中で、リレーをすること自体が不安を持って受け止められている。参加することへのポジティブなイメージが揺れ動いている中で、判断する方が増えているのではないか」と話しました。

そのうえで「100%の形で大会を実現するのが難しい中でも、開催の方向で進むならば、どうすれば価値を最大にできるのか、経費や感染対策を含めてどういうステップを踏めば開催に近づいていくのか、具体像を示していく必要がある。イベントをやることだけが先走り、大会に協力しようという機運が高まっていないのが現状だが、オリンピックの開催には譲れない点を打ち出したうえで、状況を好転させるような取り組みや呼びかけを政府も含めて積極的にしていくことが求められる」と話しています。