新潟 糸魚川で地滑り 6棟全壊 けが人なし 付近世帯に避難勧告

4日未明、新潟県糸魚川市の山あいで、地滑りが発生しているのが見つかり、住宅など6棟が全壊しました。けが人はいないということですが、県道が寸断され一時4人が孤立したほか、現場付近の23世帯37人に避難勧告が出されました。

4日午前1時すぎ、糸魚川市の山あいで停電が発生し復旧に当たっていた東北電力から「地滑りで道路が寸断されている」と市に連絡が入りました。

糸魚川市などが調べたところ、来海沢地区にある「来海沢会館」から南に200メートルほどの場所で、山の斜面から長さおよそ1キロ、幅およそ100メートルにわたり、積もった雪を巻き込みながら地滑りが起きているのが確認されました。

県によりますと、この地滑りに巻き込まれた人や、けが人はいないということですが、これまでに住宅3棟と空き家3棟に土砂が流入して全壊したということです。

また、周辺では停電や断水も起き、付近の県道も寸断されて、市野々地区と御前山地区の合わせて2世帯4人が一時孤立しましたが、4日午後3時半ごろ、県のヘリで全員救助されました。

市は、地滑りが拡大するおそれがあるとして、現在、来海沢地区とその周辺の合わせて23世帯37人に対し避難勧告を出しています。

市などによると、地滑りは今も下流に向かって少しずつ広がり続けているとみられ、寸断した県道やライフラインの復旧の見込みはたっていないということです。

また、県は4日午後、専門家とともに現場をヘリから調査し地滑りの規模や被害の状況などを確認しました。

市などは引き続き、地滑りの状況を監視していくことにしています。

専門家「相当な量の雪どけ水がしみこんだのが原因か」

新潟県糸魚川市で発生した地滑りについて、土砂災害のメカニズムに詳しい砂防・地すべり技術センターの池谷浩研究顧問は「現場にたくさん雪が残っている様子を見ると、気温の上昇によって多くの雪どけ水が発生して、地面に相当な量の水がしみこんだことが原因ではないか。地滑りが発生した場所は山の斜面で勾配があり、土の中の水分量も多かったために、流れ下る距離も長くなったと考えられる」と分析しました。

そのうえで、人的な被害が確認されていないことについては、崖崩れや土石流に比べて土砂が移動する速度がゆっくりだという地滑りの特徴が幸いしたのではないかとしています。

池谷研究顧問は「今シーズンは雪が多く、新潟県や北陸地方など積雪の多い地域では、雪どけ水が地面にしみこんで斜面が崩れるリスクが高まっている可能性がある。土砂災害警戒区域などでは注意が必要で、斜面に亀裂が入る、小石がパラパラ落ちてくるといった前兆現象がないかにも気をつけてほしい」と指摘しています。

雪が原因の地滑りや崖崩れ 去年16件発生

国土交通省によりますと、積雪や融雪が原因の地滑りや崖崩れといった土砂災害は毎年起きていて、去年1年間は合わせて16件発生しているということです。

去年12月には、富山県砺波市の山あいの集落で地滑りが発生し、木造2階建ての空き家1棟が倒壊し、付近の住民も一時避難しました。

特に新潟県や長野県などは、降る雪の量が多いことに加え、地質や地形などから斜面の状態が不安定な場所も多く、積雪や融雪による地滑りが多い傾向にあるということです。

また、こうした場所は、ハザードマップにあらかじめ記されていることが多いということで、国土交通省は、気温の高い状況が続いているため、積雪が多い地域では自宅の近くに危険な場所がないか確認しておいてほしいと呼びかけています。