千葉のかばん製造会社 “マイつり革”でコロナ苦境乗り越えへ

東日本大震災の津波によって被災した千葉県旭市のかばん製造会社が、新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込む中、電車やバスなどのつり革に直接触れずにすむ感染対策のグッズ “マイつり革”を開発し、苦境を乗り越えようとしています。

自分専用のつり革“マイつり革”は、旭市にあるかばん製造会社の高野勤社長が新型コロナウイルスの感染防止対策に役立ててもらおうと開発しました。

電車やバスなどのつり革に直接触れず、つり革に引っ掛けて使用します。

手で握る部分の二つの輪は、バッグに使われている牛革でできていて、ナイロン製のバンドでつながっています。

高野社長は「コロナ禍で仕事が減ったので、かばん作りの技術をなんとか生かすことができないか考えました。熟練した職人が丸みを出す工夫をしました」と話しています。

高野さんの会社がある旭市は、10年前の東日本大震災で16人が犠牲となり、会社も従業員の宿舎が津波によって被災しました。

当時、従業員として10人いた外国人技能実習生は全員帰国してしまい、会社の経営は岐路に立たされました。

しかし、高野社長は「震災に負けたくない」として、新たにかばんの自社ブランドを立ち上げ、デパートに出店したほか、被災した宿舎近くにショールームを兼ねた直売店もオープンさせました。

コロナ禍で開発した“マイつり革”は、電車やバスを利用する幅広い世代から好評で、かばんの売り上げアップにもつながっているということです。

旭市のふるさと納税の返礼品にも選ばれました。

販売を担当する閻煦さんは「若い人にも情報発信をして、革製品のよさを伝えられればいいと思います」と話しています。

さらに、会社ではコロナ対策で利用される医療用のガウンの生産も半年前から始めています。

革製品より薄い素材を扱うため、ミシンを改造する設備投資を行い、工場の生産ラインの3分の1をガウン作りに充てました。

高野社長は「技術があるからこそ、自社ブランドを立ち上げて、つり革を開発することができました。今後、コロナにも打ち勝っていけるような会社にしていきたい」と話し、震災やコロナ禍を乗り越えようという思いを新たにしていました。