米とEU ロシア政府高官に制裁 野党勢力指導者の収監受け

ロシアの野党勢力の指導者が去年、化学兵器の神経剤で襲われ、その後、刑務所に収監されたことなどを受けて、アメリカ政府とEU=ヨーロッパ連合はロシアの治安機関のトップなどに制裁を科したと発表しました。

ロシアでプーチン大統領への批判を繰り返してきた野党勢力の指導者ナワリヌイ氏は去年、化学兵器の神経剤で襲われことし1月に療養先から帰国後、逮捕され、刑務所に収監されました。

アメリカ政府は2日、批判を封じるためにロシア当局が化学兵器を使用したなどとして、ロシア政府の高官に制裁を科すと発表しました。

制裁の対象となったのはロシアの治安機関・FSB=連邦保安庁のボルトニコフ長官を含む7人で、アメリカ国内の資産を凍結するほか、アメリカ人との取り引きを禁止するとしています。

アメリカ政府は、「ヨーロッパ各国と緊密に連携し、ロシアに向き合っていく」としていて、2日にはEU=ヨーロッパ連合もロシア政府の高官4人に対して資産凍結と渡航禁止の制裁を発動しました。

ホワイトハウスのサキ報道官は会見で、「バイデン大統領がプーチン大統領と結ぶ関係は前の政権とは全く違ったものとなる」と述べ、ロシアへの対応が甘いとの批判もあったトランプ前政権の政策から転換し厳しい姿勢で臨むと強調しました。

ロシア側は対抗措置の考えも

今回の制裁についてロシア大統領府のペスコフ報道官は「制裁というものに依存している人たちは、それを続けることで一定の目的を達成しているのか考える時期に来ている」と述べ制裁を科されてもロシアの対応は変わらないと強調しました。

また、ラブロフ外相は「彼らは、ナワリヌイ氏に毒物が使われたことを立証するものが何もないにもかかわらず私たちを罰し始める。必ず対応するだろう」と反発し対抗措置をとる考えを示しました。

官房長官「即時かつ無条件の釈放を」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「G7=主要7か国として、ロシア政府に対し、毒物使用事案の捜査と犯人の処罰、ナワリヌイ氏の即時かつ無条件の釈放を求めており、今回のアメリカとEU=ヨーロッパ連合の対応は、日本が参加して発出されたG7の外相声明に沿ったものと理解している」と述べました。

そのうえで「日本政府としても、ロシアによる政治的動機に基づくナワリヌイ氏の逮捕や収監をこれまでも非難し、即時かつ無条件の釈放を求めており、引き続き、そうした対応をしていきたい」と述べました。