吉川英治文学新人賞に加藤シゲアキさん アイドルとしても活躍

人気アイドルグループ「NEWS」のメンバーで作家としても活動する加藤シゲアキさんが、高校生を主人公にした小説「オルタネート」で吉川英治文学新人賞に選ばれました。

吉川英治文学新人賞は「吉川英治賞」のうち、最も将来性のある新人作家に贈られる賞で、2日行われた選考会で、加藤シゲアキさんの「オルタネート」と、武田綾乃さんの「愛されなくても別に」が選ばれました。

このうち加藤さんは、人気アイドルグループ「NEWS」のメンバーとして活躍するかたわら、平成24年に作家デビューし、その後、サスペンスやSFなど幅広いテーマの作品をコンスタントに発表しています。

受賞作の「オルタネート」は、高校生を主人公にした青春群像劇で、趣味や遺伝子情報などをもとに、友人や恋人を探す高校生限定のマッチングアプリをめぐって、若者たちが悩み、成長していく姿が描かれています。

この作品は、直木賞の候補にも選ばれ、ことし1月の選考会では、受賞はならなかったものの、選考委員の中で高く評価する声が出ていました。

加藤シゲアキさん「10年前の自分を褒めてあげたい」

加藤シゲアキさんは、発表のあとの記者会見で「率直に驚いていますが実感も湧いてきて、選考委員の伊集院静さんに『こういう時は喜べ』と言われたので、今は頑張って喜ぼうと思います」と受賞の喜びを語りました。

また「タレントという立場で小説を書くことで話題になるということは、光栄でもありますが、コンプレックスでもありました。そんな僕を文学界が温かく歓迎してくれたことに感謝しており、今回の受賞で少しは恩返しできたかなと感じていますが、ここからがスタートだと思っています」と話しました。

そのうえで「作家として活動を始めてから10年、やめずに続けてきたことが今回の受賞につながっていると思うと、10年前の自分を褒めてあげたいなと感じています。一方で、これでもう甘えられないなという思いもあり、わくわくもありながら恐ろしくもあります」と、今後に向けた心境を語っていました。

選考委員 重松清さん「伸びしろを感じさせた」

加藤シゲアキさんの「オルタネート」について、吉川英治文学新人賞の選考委員の1人、重松清さんは「清新さを感じる作品で、登場人物一人一人がしっかり描かれている。連載された作品が、単行本になって、さらによくなっており、しっかり自己検証もされていることから、伸びしろを感じさせた」と評価しました。