島根 奥出雲町 五輪事前合宿誘致を断念 国の感染防止策困難

島根県奥出雲町は、東京オリンピックをめぐって海外の選手を受け入れる際に国が求めている感染防止対策をとるのが難しいとして、ホッケー・インド代表チームの事前合宿の誘致を断念することになりました。

奥出雲町は、地元の小学校から高校までホッケークラブがあるなどホッケーが盛んで、東京オリンピックではホッケーの世界的な強豪として知られるインドのホストタウンとして登録されました。

町では、町立三成ホッケー場の芝をオリンピックの会場と同じ人工芝に張り替えるなど、ホッケー・インド代表チームの事前合宿の誘致活動を続けてきました。

これについて奥出雲町の勝田康則町長は2日開会した3月定例町議会で、「国が示す感染防止対策をとった受け入れ態勢を整えることが極めて困難だ」と述べ、インド代表チームの事前合宿の誘致を断念する考えを明らかにしました。

国は海外の選手団を受け入れるホストタウンの感染防止対策の指針で、日本国内を移動する際、飛行機などの座席を1つずつ空けて確保することや宿泊施設もほかの利用者とは別に部屋を確保することなどを求めていますが、町ではこうした対応は難しいとしています。

また、代表チームと町民との交流が難しいことも誘致の断念を決める要因になったということです。

オーストリアが愛媛の事前合宿を断念

東京オリンピックに向け、オーストリアからスポーツクライミングの事前合宿の誘致を進めてきた愛媛県西条市に、オーストリア側から新型コロナウイルスへの対策が難しいとして、訪問を断念するという連絡があったことがわかりました。

西条市は東京オリンピックに向けて、オーストリアのホストタウンとして登録され、スポーツクライミングの専用施設で、選手たちの事前合宿の誘致を進めてきました。

しかし、先月22日、オーストリアのスポーツクライミング協会から、新型コロナウイルスへの対策が難しいことを理由に「選手たちには直接、東京に入り、短期間での帰国を勧めている」などとして、西条市での合宿を断念するという連絡が、市にあったということです。

西条市スポーツ健康課は今回の断念はやむを得ないとしたうえで「ホストタウンとしての応援は引き続き行う」としています。

また、ワクチンなどで感染の拡大が落ち着けば大会前に再度、誘致を働きかけたいとしています。

誘致を断念した自治体は増える

東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンの事務局を務める内閣官房によりますと、1月29日現在でホストタウンに登録している全国の自治体は517で、多くは選手と住民の交流事業に加えて大会前の事前合宿を計画しています。

内閣官房によりますと、ホストタウンの島根県奥出雲町のほかに、ホストタウンとは別に独自に南アフリカの男子ホッケーチームを誘致していた、宮城県栗原市も感染対策の負担のほか、会場が新型コロナウイルスのワクチン接種の日程と重なることを理由に誘致を断念しました。

このほか受け入れ先と具体的な協議を進める中で合意に至らず、誘致を断念した自治体が複数、出ているということです。

内閣官房は事前合宿の受け入れの3か月前にあたる来月初めまでに、受け入れ先と感染対策について合意をとりまとめるよう求めていますが、感染対策の負担などを理由に誘致を断念する自治体がさらに増える可能性もあります。

内閣官房の担当者は「事前合宿の際の交流を楽しみにされていたと思うと実施に至らず残念だが、これまでのつながりがすべてなくなるわけではないので、大会後などで交流を継続してほしい」としています。