ワクチン冷凍庫故障 「不測事態の対応指針を」河野規制改革相

新型コロナウイルスのワクチンを保管するための冷凍庫が故障し、最大で1000回分余りが使用できなくなったことを受け、河野規制改革担当大臣は、原因究明を急ぐとともに、災害などの不測の事態に対応できるよう指針を取りまとめる考えを示しました。

厚生労働省によりますと先月26日、医療従事者を対象としたワクチンの先行接種を行っている医療機関で、ワクチンを保管するための超低温冷凍庫=ディープフリーザーが故障し、最大で1032回分が使用できなくなりました。

これについて河野規制改革担当大臣は閣議のあと記者団に対し「納入企業がきょう冷凍庫を引き取ったあと原因究明を行う。同じ企業が全国に100台納入しているが、今のところ保管温度の逸脱の報告はない。原因究明をしっかりと行っていきたい」と述べました。

そのうえで「自然災害などを考えれば、こうしたことは今後も起こると思う」と指摘し、災害などの不測の事態に対応できるよう指針を取りまとめる考えを示しました。

また、ファイザーなどが開発したワクチンが一般的な冷凍庫でも輸送できることになったことに関連し、河野大臣は「接種日程の変更は考えていないが、モデルナ社製のワクチンのために調達していた冷凍庫を使えるよう考えていきたい」と述べました。

官房長官「回収し原因究明へ」

加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「ディープフリーザーの故障原因については納入業者が本日、当該医療機関を訪問し、代替製品を持参するとともに、故障したディープフリーザーを回収し、原因究明を行うと承知している」と述べました。

そのうえで「当該機関で今後、先行接種に必要となるワクチンは、ディープフリーザーの交換後、新たに195個の容器を配送することを予定している。現時点で保管温度の逸脱の原因は判明していないが、納入企業の調査結果を踏まえ、速やかに必要な対応を検討していきたい」と述べました。