日本ボクシング連盟 東京五輪最終予選の中止決定を受け入れ

新型コロナウイルスの感染拡大で、IOC=国際オリンピック委員会の特別チームが東京オリンピックのボクシングの世界最終予選の中止を決めたことを受けて、予選の実施を求めていた日本ボクシング連盟は特別チームの主張に理解を示し決定を受け入れることになりました。

東京オリンピックのボクシングを主体的に実施するIOCの特別チームは15日、6月にパリで予定していた世界最終予選を中止したうえで、争われる予定だった53の出場枠について特別チームが設けたランキングに基づいて決めると発表していました。

予選には日本から男女合わせて5人の選手が出場を予定していたことから、日本ボクシング連盟はアジア・オセアニアなどでの最終予選の実施を求める嘆願書を特別チームに提出していました。

こうした中で連盟は27日、特別チームの決定を受け入れると発表しました。

それによりますと、連盟は特別チームと意見交換した際、感染拡大が世界で問題となっていることを踏まえた内容に理解を示したうえで、東京大会ホスト国の競技団体として成功に向け協力していくことを確認したということです。

日本ボクシング連盟は「選手のために最大限の努力をした。特別チームもアスリートのことを第1に考えての判断だ」とコメントしています。

日本選手への影響は?

中止が決まった世界最終予選に日本からは開催国枠などで東京オリンピックの代表内定を得ることができなかった男子2階級、女子3階級の合わせて5人が出場する予定でした。

この5人は去年3月に行われたアジア・オセアニア予選で出場枠を獲得できず、開催国枠でも代表内定を得ることができなかったため、世界最終予選が最後のチャンスでした。

出場を予定していたのは、男子はフェザー級の堤駿斗選手とライトヘビー級の梅村錬選手、女子ではライト級の濱本紗也選手、ウエルター級の鬼頭茉衣選手、ミドル級の津端ありさ選手です。

一方、これまでに日本選手は男女合わせて6人がアジア・オセアニア予選での出場枠の獲得や開催国枠で代表に内定していました。

男子は4階級で、ウエルター級の岡澤セオン選手がアジア・オセアニア予選で出場枠を獲得したほか、3つある開催国枠ではフライ級の田中亮明選手とライト級の成松大介選手、ミドル級の森脇唯人選手の3人が代表に内定しました。

女子はフライ級の並木月海選手とフェザー級の入江聖奈選手がアジア・オセアニア予選で出場枠を獲得し、女子の日本選手では初めてオリンピックの代表に内定していました。