飲食店などとリモートワークする人 マッチングサービス広がる

新型コロナウイルスの感染拡大で客が減少している飲食店やカラオケ店が店内の座席や個室をリモートワーク用のスペースとして貸し出し、店と利用者をマッチングするサービスの利用が広がっています。

東京のIT企業は、居酒屋やカラオケ店などの座席や個室をリモートワーク用のスペースとして毎月定額で利用できるサービスを、法人を対象に提供しています。

自宅が手狭だったり家族に気兼ねしたりしてリモートワークがしづらい人などのニーズに応えるもので、オンライン会議などに利用されています。

サービスを提供する「クリップライン」の遠藤倫生取締役は「客が減っている飲食店やカラオケ店の支援にもつなげたい」と話しています。

こうしたサービスは大手商社「三井物産」のグループ会社も手がけています。

アプリを利用すれば、個人でも都内を中心に100か所の飲食店などからリモートワークの場所を予約することができます。

店によっては飲み物などを割安で購入できるということで、客の減少に悩む店とリモートワークの場所を確保したい人とをマッチングするサービスが広がっています。

カラオケ店 売り上げ6割減の苦境も…

全国に500店余りを展開するカラオケの全国チェーンもマッチングサービスに登録し、カラオケの個室をリモートワークなどのために貸し出しています。

少人数の客向けに小型の個室を増やしているほか、オンライン会議用にパソコン画面をモニターに映し出す設備を導入するなど、リモートワークの利用客を積極的に取り込むための投資も行っています。

このチェーンはことし1月の緊急事態宣言以降、対象地域では午後8時に閉店しているため、売り上げが去年の同じ時期に比べて6割程度減り、大きな打撃を受けています。

リモートワークの利用者を増やすことで平日日中の売り上げにつなげたいとしています。

カラオケまねきねこ総務部の馬場仁美さんは「カラオケ以外の客にも足を運んでもらうため、さまざまな使い方を提案できるサービスを積極的に検討していきたい」と話しています。