宣言解除へ 飲食店の反応を聞いてみると…

緊急事態宣言について菅総理大臣は、対象地域の10都府県のうち首都圏を除く6つの府県で、今月末の28日で解除することを表明しました。各地の飲食店の反応です。

福岡の居酒屋 売り上げ回復を期待

緊急事態宣言が解除されることについて、福岡市内の飲食店からは売り上げの回復を期待する声が上がっています。

福岡市・天神にある居酒屋「酔灯屋」は、福岡県からの要請を受けて深夜0時までだった営業時間を午後8時までに短縮しています。

夜の営業が短縮された影響で、客席が180あるこの店では今月(2月)のこれまでの売り上げは、宣言が出る前の去年12月の3分の1ほどに落ち込んでいるということです。

福岡県は、宣言の解除後、営業時間は午後9時までとするよう要請する方針で、店側は、引き続き要請に応じる予定ですが、夜の営業が1時間延びることで宣言の期間中よりは売り上げが回復すると期待しています。

「酔灯屋」の竹内康順社長は「これで少しでも前を向けるので正直うれしいです。今までの1日20人から30人ほどだったお客さんがおそらく1.5倍くらいに増えると期待しています」と話していました。

営業再開する店も 大阪

大阪府は、緊急事態宣言が解除されれば、飲食店への時短要請を大阪市内に限定し、営業時間は夜9時までとする方向で調整しています。

市内の飲食店からは客足が戻ることへの期待の声が聞かれました。

大阪・中央区にある日本料理店「清月」は先月、緊急事態宣言が出された後、1週間は午後8時までの時短営業を行ったものの、売り上げが去年の同じ時期の20%にまで落ち込み、経営が成り立たないとして休業を続けてきました。

経営者の佐藤和貴さん(70)は緊急事態宣言が解除され午後9時まで営業できる見通しとなったことを受け、来月2日から営業を再開するつもりです。

26日は、店内にあるカウンターを磨くなど再開に向けた準備を進めていました。

佐藤さんは「常連の客からいつ再開するのかという問い合わせも多くいただいていて再開が楽しみです。人数制限などの感染対策もきちんと行っていきたいと思います」と話していました。

名古屋の居酒屋「感染対策 具体的な指導を」

名古屋市の居酒屋では、期待の声が聞かれた一方、飲食店での感染防止対策についてより具体的な指針を示してほしいという声も聞かれました。

名古屋市中区で名古屋名物のみそおでんなどを提供する居酒屋「カモシヤ」では、営業時間短縮の要請を受け、感染対策をとりながら午後8時までの営業を継続していますが、売り上げは、前の年の同じ時期と比べて7割減っているといいます。

愛知県は、宣言が解除されたあと、営業時間を午後9時までとするよう要請する方針で、「カモシヤ」のオーナー橋本雄生さんは「1時間でも長く営業できれば、売り上げが10%くらいはあがるのでありがたい。ルールの範囲内で食事を楽しんでもらえる方法を考えていきたい」と話していました。

一方、政府の分科会が飲食店の当面の対策として、二酸化炭素の濃度を目安に換気などを行うことや、会話の声が大きくならないよう店内に流す音楽の音量を最小限にすることなどを提言したことについて、橋本さんは「お客さんが安心して利用できるのであれば、必要な対策は積極的に取り入れたい。感覚的に対策している部分があるので、どのような機械をどこに置くかなど具体的な指導をしてほしい」と話していました。

都内 宣言解除見据え準備する飲食店も

一方、都内の飲食店の中には来月7日の期限で緊急事態宣言が解除されることを見据えて準備を進めているところもあります。

東京・六本木の飲食店「サカナバル グリル」はこれまで夜間を中心に営業していて、1月の緊急事態宣言のあと、午後8時までの時短営業では採算が取れないとして臨時休業を続けてきました。

しかし首都圏の緊急事態宣言が来月7日に期限を迎えることから解除後の営業再開に向けて準備を進めていて、きのう(25日)は営業再開後に出す新メニューの試食会が行われました。

試食会では宣言解除後も時短営業の要請が続く場合に備えてテイクアウトやデリバリー用の新メニューもあり、従業員たちが調理したハンバーガーなどの味を確かめていました。

この飲食店を経営する会社は、都内や神奈川県に合わせて5つの系列店を展開しこのうち4店舗で臨時休業していますが、宣言解除後の時短要請の有無などを見極めたうえでそれぞれ営業再開するかどうか判断するということです。

「サカナバル グリル」を経営する森山佳和社長は、「感染が収束して時短営業が解除されるのが一番ですが、この1年間の状況を経験するとすぐに元どおりの生活が戻るとは思えません。飲食店の多くはお酒が売れて初めてもうかる仕組みなので『時短』ではどうにもならず、宣言が解除されても先行きは不透明です。経営は大打撃を受けていて、ランチ営業を始めるなどさまざまなことにチャレンジしていますが、感染対策を進めてコロナとうまくつきあいながらそのつど形を変えて対応していくしかありません」と話していました。