韓国 ワクチン接種始まる 医療従事者など対象 新型コロナ

韓国では、26日から医療従事者などを対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が会場を視察しました。

韓国では、イギリスの製薬大手アストラゼネカなどが開発し韓国企業が国内で製造した新型コロナウイルスのワクチンの接種が26日午前9時ごろから始まりました。

接種の対象は、65歳未満の病院の入院患者や療養施設の入所者、そして医療関連施設で働く人、およそ29万人です。

初日の26日は5200人余りが接種を受ける予定で、ソウル市内の保健所に設けられた接種会場では、ムン・ジェイン大統領が接種の計画について説明を受けるとともに、接種の様子を視察しました。

韓国政府は、全人口を上回る7900万人分のワクチンを確保していて、27日からはアメリカのファイザーなどが開発したワクチンの接種も始める予定です。

また、ことし11月までには国民の70%以上にワクチンを接種し、多くの人が免疫を持つことで感染が広がりにくくなる、いわゆる「集団免疫」の状態を目指すとしています。

一方で、韓国の保守系のメディアからは、OECD=経済協力開発機構の加盟国の中で、ワクチンの接種開始が最も遅くなったなどとして、韓国政府の対応に批判も出ています。

ムン大統領 SNSに「日常の回復は遠くない」と投稿

ワクチン接種の現場の視察を終えたムン・ジェイン大統領は、26日午後、SNSに「国民に日常の回復は遠くないという希望を伝える。接種計画がしっかりと準備されているため、滞りなく接種が行われる」と投稿しました。

また視察について「現場のワクチンの管理や接種の過程は、国民の信頼を得るのに十分だった」として、無事に接種が始められたとアピールしました。

その一方でムン大統領は、ワクチンの接種が始まったあとも、感染予防策を徹底するよう呼びかけました。