【ワクチン供給契約 世界の現状は】需要増で供給力強化の動き

アメリカ・デューク大学のまとめによりますと、アメリカの製薬大手ファイザーとドイツの企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、40を超える国や組織などとの間で、合わせて15億回分以上を供給する契約や合意が結ばれています。

内訳は
▽EU=ヨーロッパ連合が最大6億回分、
▽アメリカが3億回分、
▽日本が1億4400万回分、
▽中国が1億回分、
▽WHO=世界保健機関などがワクチンの公平な分配のために立ち上げた枠組み「COVAXファシリティ」が4000万回分となっています。

日本政府は、年内に1億4400万回分のワクチンの供給を受ける契約をファイザーと結んでいます。

日本向けのワクチンは、ドイツにある製造施設とベルギーにある製造施設で作られることになっていて、これまで2回合わせて最大で83万8000回分余りがベルギーの施設から日本に向けて出荷されました。

ファイザーは、アメリカでは今月はじめの時点で、1週間に400万回から500万回分のワクチンを供給していますが、この量を来月中頃までには1300万回分まで増やすとしています。

一方、世界各国への具体的な供給の見通しについては明らかにしていません。

23日に開かれたアメリカ議会下院の公聴会で、ファイザーの幹部は「ワクチンの切実な需要に応えるため、ことしの世界全体の生産量を当初の13億回分から、少なくとも20億回分に増やしている」と述べ、生産設備に投資して供給力を強化していると強調しています。