ことしの春闘見通し 賃上げ率1.73% 2013年以来2%下回る予測

ことしの春闘の賃上げの見通しについて民間の研究機関が労働組合や企業などにアンケート調査をしたところ、賃上げ率は2013年以来となる2%を下回る予測となったことがわかりました。

この調査は、民間の研究機関、「労務行政研究所」が企業の労務担当者や労働組合、それに専門家などを対象に去年12月から先月にかけて行い425人から回答を得ました。

それによりますと、ことしの春闘の賃上げの見通しについて聞いたところ、定期昇給を含めて平均で5524円と去年の調査より971円減少しました。

賃上げ率は1.73%と2013年以来の2%を下回る予測となりました。

また、企業の担当者105人に聞いたところ、定期昇給は84.8%が実施する予定と回答しました。

一方、基本給を引き上げる「ベースアップ」に相当する賃上げについては、「実施する予定」が4.8%、「実施しない予定」が61.9%、「検討中」が27.6%となりました。

去年の調査ではベースアップに相当する賃上げを実施する予定だと回答したのは16.9%で今回、大幅に減少しました。

「労務行政研究所」は「新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し雇用の維持を重視した企業が多かったため賃上げ率が低くなるという予測が多くなった。労働組合にとっては厳しい交渉になるとみられる」と話しています。