震度6強の地震 避難所は感染防止対策を徹底 福島

今月13日の最大震度6強の地震は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で起きました。福島県相馬市の避難所では、被災者に安心して避難所に足を運んでもらえるよう、徹底した感染防止対策をとっていました。

今月13日の地震で震度6強の揺れを観測した相馬市では、避難所となった「スポーツアリーナそうま第二体育館」に、最大で92人が避難しました。

相馬市は、今回、体育館の入り口で検温し、手や指を消毒するためのアルコールを設置しました。

また、体育館内の「密」を防ぐため、35張りのテントを2メートルの間隔を空けて設営し、世帯ごとに分かれて入ってもらいました。

さらに、感染の疑いがある住民が避難してきた場合に備えて、敷地内に医師と救急車を待機させ、37度5分以上の熱がある場合はその場で抗原検査を行える態勢を整えていました。

幸い、新たな避難者が来なくなり、地震発生の翌朝、態勢を解除するまでの間に発熱などの症状がある人は来ませんでしたが、感染確認に備え、隣の施設の柔剣道場を感染の疑いがある人専用の避難所とし、保健師などを常駐させる準備もしていたということです。

相馬市では、こうした避難所のコロナ対策を、新型コロナの感染が広がり、台風などによる災害が懸念される中、去年の秋に立案していました。

相馬市によると、ここまで対策をとっている自治体は珍しいということです。

しかし、実際にコロナ禍での災害に直面し課題も見えてきました。

相馬市では、今回避難所で使ったテントを1000張り用意していますが、コロナ禍の中では間隔を空けて設営せざるをえないため、東日本大震災のときに避難した4500人と同じ規模の被災者を受け入れるには、テントもテントを張る避難所も足りません。

また、発熱などの症状が見られる住民が相次いで確認された場合に、どのように対応すべきか明確になっていなかったこともわかりました。

相馬市社会福祉課の村井智一課長は、「新型コロナウイルスへの感染を恐れて避難所に足を運ばない住民もいるのではないかと考え、コロナに対応した避難所の設営を実践しました。今回明らかになった課題は、これからひとつひとつ解決し、いざというときにためらわず避難し安心して避難生活を送ってもらえるよう準備を進めていきたい」と話していました。