アメリカ 先月の小売業の売上高 4か月ぶり増加に

アメリカの先月の小売業の売上高は、4か月ぶりに増加に転じ、伸び率も5.3%と、大きく回復しました。政府の経済対策に含まれた現金給付によって消費意欲が高まったためだとみられます。

アメリカ商務省が17日発表した先月の全米の小売業の売上高は5682億ドル、日本円でおよそ60兆円となり、前の月に比べて5.3%のプラスと、大幅に増えました。

小売業の売上高が増加に転じるのは4か月ぶりで、内訳を見ますと、
「デパート」が23.5%、
「ネット通販」が11.0%、
それぞれ前の月に比べて増えました。

これは去年末に成立した国の経済対策に含まれた、1人あたり日本円で6万円余りの現金給付や、好調な株式市場が消費意欲を押し上げたためだとみられます。

アメリカでは先月半ば以降、新型コロナウイルスの感染者数が減少してきているうえ、ワクチン接種も徐々に進んでいることから、議会予算局はアメリカ経済がことし半ばには感染拡大前の水準に回復すると見込んでいます。

ただ、雇用環境の改善ペースは鈍く、経済活動や株価、それに企業業績に比べて失業者がなかなか減らない「雇用なき景気回復」の懸念が続いています。