東京五輪・パラ組織委 会長候補者検討委の初会合 17日も開催へ

辞任を表明した森会長の後任候補を選ぶため、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が設置した「候補者検討委員会」の1回目の会合が16日に都内で開かれました。検討委員会は17日も開かれる予定で、組織委員会は、ここでの議論を経て、早ければ今週中にも理事会を開いて新しい会長を決めたい考えです。

大会組織委員会の森会長は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」といった、女性蔑視と取れる、みずからの発言の責任を取り、2月12日に開かれた理事と評議員による緊急の会合で辞任する考えを表明しました。

組織委員会は、透明性を確保して後任の会長候補を選ぶため「候補者検討委員会」を設置し、1回目の会合が16日午後、都内で開かれました。

委員会は非公開で行われましたが、
▽組織委員会の御手洗名誉会長が委員長を務め、
メンバーは、
▽JOC=日本オリンピック委員会の山下会長
▽東京都の多羅尾副知事
▽スポーツ庁の室伏長官
▽IOC=国際オリンピック委員会のオリンピックプログラム委員会の荒木田裕子委員
▽アテネ大会と北京大会の金メダリストで、元柔道選手の谷本歩実さん
▽体操の元オリンピック選手、田中理恵さん
▽パラ競泳の現役選手の成田真由美さんの、
合わせて8人で構成されているということです。

1時間半ほど開かれた候補者検討委員会は終わり、委員会は17日も開かれる予定で、ここでの議論を経て、組織委員会は早ければ今週中にも理事会を開いて新しい会長を決めたい考えです。

検討委メンバー 語らず

検討委員会のメンバーたちは、午後0時半ごろから午後1時すぎにかけて会合が行われた都内のホテルに次々と集まりました。

そしてメンバーたちはおよそ1時間半後の午後3時前から相次いで会場から出てきました。

このうち▼JOC=日本オリンピック委員会の山下会長は午後2時40分ごろに会場を出て、記者団に「勘弁してください」とだけ話しました。

▼IOC=国際オリンピック委員会のオリンピックプログラム委員会の荒木田裕子委員は「お話しすることはありません」と述べました。

会長の後任候補は決まったかと問われると「いやいや、全然です」とだけ応じ、足早に会場を後にしました。

また、▼元柔道選手の谷本歩実さんは何も語らずに車で会場を離れました。

▼パラ競泳の成田真由美選手は「きょうはごめんなさい」と話して車に乗り込みました。

さらに、▼組織委員会の武藤事務総長は午後3時半ごろに会場をあとにし、「会合は終わりました」とだけ話しました。

専門家「どうやって選んだかが重要」

辞任を表明した森会長の後任候補選びについて、スポーツ界のガバナンスに詳しい弁護士で早稲田大学スポーツ科学学術院の松本泰介准教授(40)は、東京オリンピック・パラリンピック開催に国民の理解を得るためにも透明性のある議論が欠かせないと指摘しています。

森会長から後任を要請された川淵三郎氏が「密室人事」などと批判されて辞退した一連の動きについて松本准教授は、「社会的な影響が大きいスポーツ団体の意思決定にはさまざまな利害関係者をいかに巻き込むかが重要だ。森会長の発言や後任指名の過程にはさまざまな人を巻き込む意思が欠けていた」と指摘しました。

そのうえで後任候補を選ぶ「候補者検討委員会」のメンバーや議論の経過が「選考に影響がある」などとして公表されていない点については、「選考のプロセスを公表し、それに対する多様な意見を踏まえながら会長を選んだほうが時間がかかったとしても結果的にみんなが納得する結論が得られる。騒動が大きくなっているからといってクローズな空間で早急に決めるのは非常に安直だ」と述べ、組織委員会が検討委員の人選の理由や議論の途中経過を説明して透明性を高めるべきだとしています。

そして新たな会長に必要な資質としては「コロナ禍で大会を開催するのか、中止するのかという非常に重要な決断を行う立場だ。広く多様な意見を集めることができる人材でないと大会の開催自体に大きな影響を及ぼしかねない。完璧にこなせる人はなかなか考えにくいので、誰が会長になるかよりも、どうやって選んだかがより重要になる」と話しています。