WHO武漢調査チーム 豪研究者「中国から詳細データ提供されず」

新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて中国 武漢を訪問した調査チームのメンバーのオーストラリアの研究者がNHKのインタビューに応じ、調査チームが感染拡大の初期の患者に関する詳しいデータを中国側に求めたものの、提供されなかったことを明らかにしました。

WHOの調査チームは、先月から今月にかけて中国の武漢を訪れ、新型コロナウイルスの発生源などを解明するための調査を行いました。

現地で調査に参加したウイルス学が専門のオーストラリアのシドニー大学のドミニク・ドワイヤー教授が15日、NHKのインタビューに応じました。

この中でドワイヤー教授は「おととし12月に報告された174人の感染者に注目したが、中国側が提供したのは全体的な情報のみで、私たちが関心を持っていた患者の詳細なデータは提供されなかった」と述べ、調査で求めた情報が提供されていなかったことを明らかにしました。

そのうえで、ドワイヤー教授は「中国国内では当局からの圧力があるのだと思う。中国の研究者は、われわれの求めに対し協力的ではあったが、もしデータが隠蔽されていても私たちにはわからない」とし、当局の圧力によってデータの開示が影響を受けた可能性もあるとの見方を示しました。