GDP 去年1年間で-4.8% リーマンショック翌年以来の落ち込み幅

内閣府が発表した去年10月から12月までのGDP=国内総生産は、前の3か月と比べた実質の伸び率が年率に換算してプラス12.7%と、2期連続のプラスとなりました。
一方、去年1年間のGDPの伸び率は、前の年と比べてマイナス4.8%と、リーマンショック翌年の2009年以来、11年ぶりのマイナスとなりました。

内閣府が発表した去年10月から12月までのGDPの速報値によりますと、物価の変動を除いた実質の伸び率は、前の3か月と比べて、プラス3.0%となりました。

これが1年間続いた場合の年率に換算すると、プラス12.7%で2期連続のプラスとなりましたが、前の期にあたる去年7月から9月までのプラス22.7%と比べますと、伸び率は鈍化しました。

項目別にみますと、GDPの半分以上を占める「個人消費」は、秋の行楽シーズンを中心にGo Toキャンペーンの効果で旅行や外食への支出が増え、前の期と比べてプラス2.2%となりました。

「輸出」は、中国向けの電子部品や自動車などが増加し、プラス11.1%と大幅に伸びたほか「企業の設備投資」は、半導体の製造装置向けなどが増えてプラス4.5%と、3期ぶりにプラスに転じました。

一方、あわせて発表された去年1年間のGDPは、実質の伸び率が前の年と比べてマイナス4.8%となりました。

1月から12月までの1年間のGDPがマイナスとなるのはリーマンショックの翌年にあたる2009年のマイナス5.7%以来、11年ぶりです。

これは、個人消費がマイナス5.9%と比較可能な1995年以降で最大の落ち込みとなったほか、輸出や設備投資も大幅なマイナスとなったことが主な要因で、新型コロナウイルスが日本経済に与えた打撃の大きさを示す結果となりました。

GDP 四半期ごとの推移

去年1月から12月までの1年間のGDPは、物価の変動を除いた実質の伸び率が前の年と比べてマイナス4.8%と、リーマンショックが起きた翌年にあたる2009年以来、11年ぶりのマイナスとなりました。

四半期ごとに振り返りますと、感染が広がりはじめた1月から3月までが、年率換算でマイナス2.2%。

1度目の緊急事態宣言が出された4月から6月まではマイナス29.3%と、最大の落ち込み幅になりました。

その後、7月から9月までは前の期の反動もあってプラス22.7%と大幅な伸びとなりました。

そして、15日に発表された10月から12月までは、GoToキャンペーンによる個人消費の押し上げや、企業の設備投資の動きが戻ってきたことなどから、プラス12.7%と、2期連続のプラスになりました。

しかし、1年間を通してみると、前の年と比べてマイナス4.8%と、11年ぶりのマイナスとなり、新型コロナウイルスによる日本経済への打撃の大きさを示す結果となりました。