東京 JR田端駅のボードに感謝を伝え合う “ありがとうの輪”

東京 北区のJR田端駅にあるホワイトボードに書かれた医療従事者へのメッセージをきっかけに、駅員と医療従事者などが、お互いに感謝の気持ちを伝え合う“ありがとうの輪”が広がっています。

JR田端駅の北口の改札に置かれたホワイトボードには、医療関係者に向けた手書きのメッセージが書かれています。
書いたのは田端駅の駅員たちで「昼夜を問わず、日々献身的に奮闘されているみなさま。本当にありがとうございます。みなさまのことはニュース等で拝見しており、そのお姿にただただ『感謝』と『ありがとう』という気持ちを抱くばかりです。そしてがんばってください」などと、ボードいっぱいに感謝の気持ちを表現しています。

田端駅の周辺には、都立駒込病院や東京女子医科大学東医療センターなど、新型コロナウイルスの患者を受け入れている医療機関があり、そこで働く医療従事者が駅を利用しています。

駅員たちがメッセージを書いたのは、新型コロナウイルスの1日の感染確認が東京で初めて1000人を超えた去年の大みそかの終電のあとです。

例年なら「謹賀新年」などと新年を祝うメッセージを書くということですが、今回は、年末年始も最前線で対応している医療従事者に感謝の気持ちを伝えたいと、何度も書き直してメッセージを書き上げました。
これに対し、駅の窓口には医療関係者だという人から「メッセージに感動した」という反応が寄せられるようになりました。

そして1月27日には都立駒込病院で働く看護師など、およそ180人からお礼のメッセージが貼られたパネルが届いたのです。
そこには「日常の『あたりまえ』を守るため業務を続けてくださる皆さまに感謝しております」とか「温かいメッセージありがとうございます。とても勇気がわいてきます」などと、駅員への感謝の気持ちが書かれていて、パネルはホワイトボードの隣に並べられました。
都立駒込病院では、4つの病棟に新型コロナウイルスの患者が入院していて昼夜問わず医師や看護師が治療にあたっています。

忙しさと緊張感で気持ちが張り詰めるなか、通勤途中にメッセージを見てうれしくなったといいます。
看護担当科長の辻真由美さんは「医療関係者の方へと書いてあったので、なんだろうと思って立ち止まって内容を読んでとてもうれしく、ありがたいと思いました」と話していました。

また看護師の相馬侑里さんは「当たり前を当たり前と思わずに感謝を伝えていくことの大事さを感じました。1人で頑張っているんじゃないという気持ちになり、ありがたいなと思いました」と話していました。

田端駅では駅の利用客向けにカードを用意し、医療従事者に贈るメッセージを募っています。

岡本寿駅長は「私たちもありがとうとお伝えして、病院の皆様からありがとうということばをいただきました。ありがとうということばで人がつながりました。お互い頑張りましょうという気持ちでいます」と話していました。