WHO 武漢調査チーム帰国へ 米政府“調査結果 検討”

新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて中国 武漢を訪れているWHO=世界保健機関の調査チームは現地での活動を終え、10日、帰国の途につきました。調査チームは、アメリカのトランプ前政権が主張していた、武漢にある研究所からのウイルスの流出について、可能性は低いとしており、アメリカ政府は調査結果を検討するとしています。

日本を含む各国の専門家で作るWHOの調査チームは、先月から武漢で行ってきた調査を終え、10日、帰国の途につきました。

WHOのピーター・ベンエンバレク氏は9日夜、帰国を前に現地で記者会見し、アメリカのトランプ前政権が主張していた「武漢ウイルス研究所」からウイルスが流出した可能性について「極めて考えにくい」と述べました。

そのうえで、新型コロナウイルスはコウモリなどの宿主から他の生き物を介し、ヒトに感染するようになった可能性が考えられるとして、今後、さらに調査を進めていく考えを示しました。

アメリカのバイデン政権は、中国政府のウイルスに関する情報公開について、透明性が足りないなどと批判しており、ホワイトハウスのサキ報道官は9日の会見で「WHOの調査結果を受け取り、詳しく検討する」と述べ、今後、アメリカ政府としても内容を検討していく考えを示しています。