楽天 田中将大 2度目のブルペンで実戦的なピッチング練習

プロ野球・楽天の沖縄キャンプは、9日が第2クール最終日です。3日前に合流した田中将大投手は、2度目のブルペンでバッター役と審判に入ってもらい、より実戦的なピッチング練習を行いました。

8年ぶりに古巣・楽天に復帰した田中投手は、沖縄県金武町で行われている1軍のキャンプに今月6日に合流し、9日までの第2クール4日間は、ほかの選手とは別メニューで調整しました。

9日はキャッチボールで体を温めたあと、7日以来、中1日で2回目のブルペンに入り、1人でピッチング練習に臨みました。

9日も首脳陣や多くの報道陣が見つめる中、田中投手は、バッター役を頼んで左右の打席に交互に立ってもらったほか審判にも付いてもらい、実戦さながらの環境で投げ込みました。投球の合間には、大リーグと違うとされるストライクゾーンを審判に確認するなど、8年ぶりの“プロ野球”に向けた調整に余念がありませんでした。

ブルペンには、リリーフの森原康平投手や酒居知史投手が駆けつけてキャッチャーの後ろに立ち、“生きた教材”から技術を吸収しようと真剣な表情で見つめていました。

田中投手は最後に、左バッターのインコースのひざ元に構えさせたキャッチャーミットがほとんど動かないほど正確なコントロールでストレートを投げ込み、7日より14球多い54球でピッチング練習を終えました。

このあと、キャッチャーを務めた9年目の下妻貴寛選手に対し、ストライクゾーンの高めを意図的に要求することで、配球の幅が広がるなどとアドバイスを送っていました。

田中投手は、10日の休養日をはさみ、11日の第3クール初日から全体練習に加わる予定です。

“生きた教材”手本に

田中将大投手の9日のピッチング練習の様子は、投手陣の後輩たちも見学しました。

その1人、5年目の森原康平投手はおととし、力強いストレートと落差の大きいフォークボールを持ち味にリリーフとして、自己最多の64試合に登板し、防御率1.97と活躍しました。しかし、新たな「抑え」に抜てきされて臨んだ昨シーズンは、不調とけがでわずか17試合の登板にとどまりました。

復活にかける今シーズンに向け、森原投手は、鋭く落ちる田中投手の決め球、「スプリット」の握り方を8日の練習で教わりました。

そして9日、田中投手のピッチング練習をキャッチャーの後ろから真剣に見つめ、どのくらいの高さをねらって投げているのかなど、投球のイメージを確認しました。

このあと森原投手は、ことし初めてバッターを相手にしたシートバッティングで早速、田中投手直伝の「スプリット」を試し、1軍の主力を相手にファウルを打たせたり空振りを奪ったりして手応えを感じていました。

森原投手は田中投手から、「あとボール1つ分ぐらいキャッチャーに近い位置でボールを離せたらもっといい」と助言されたということで、「落ち方もよかったと思う。自分の持ち球として磨けるよう継続して練習したい」と意気込んでいました。

“マー君フィーバー”

プロ野球のキャンプは、新型コロナウイルス対策のため今のところ観客を入れていませんが、楽天の沖縄キャンプでは、8年ぶりに復帰した田中将大投手が合流して以降、田中投手の行くさきざきにファンのように報道陣が集まり、注目度の高さがうかがえます。

今シーズンの楽天は、ゼネラルマネージャーを兼任する石井一久監督の就任や、去年のドラフト会議で4球団が競合したドラフト1位ルーキー、早川隆久投手の加入などで、注目度が高まっていました。

例年の楽天キャンプと違い、新型コロナ対策として、観客を入れないだけではなくテレビ局は1系列6人まで、新聞社は1社3人までと報道陣も人数を絞られる中、初日からおよそ80人がさまざまな選手や監督の取材にあたりました。

それが今月6日、田中投手が合流すると報道陣の動きが一変し、バスでの球場入りからグラウンド間の移動、練習が終わって1人で帰るところまで、田中投手の行く先々に報道陣の大半がファンのように詰めかけ、一挙手一投足やその声を捉えようとするまさに“フィーバー”状態となりました。

この状態は、合流してからの4日間、同じように続いていて、これには田中投手も、ブルペンでのピッチング練習中、「ひと言ひと言全部(音を)拾われている」とか、「こんなにカメラを向けられて、シャッター音をパシャパシャ鳴らされたら力が入る」などとこぼし、苦笑いを浮かべていました。

球団によりますと、田中投手には個別取材の依頼がおよそ100件、殺到しているということで、田中投手が全体練習に加わる11日以降も、当面、その熱は冷めることはなさそうです。