英首相「現在接種のワクチン 変異ウイルスへの効果に自信」

イギリスのジョンソン首相は、製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンなどについて「現在、接種を行っているすべてのワクチンに自信を持っている」などと述べました。

アストラゼネカなどが開発したワクチンをめぐっては、南アフリカが接種の開始を一時的に見合わせると発表していて、国内で広がる不安感を打ち消すねらいがあるとみられます。

アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、南アフリカで確認された変異ウイルスでは、軽度から中程度の症状を防ぐ効果が低い可能性があることを示す初期段階の臨床試験の結果が出たとして、南アフリカの保健当局が7日、接種の開始を一時的に見合わせると発表しました。

また、南アフリカの大学と初期段階の臨床試験を行ったオックスフォード大学も詳細は明らかにしていませんが、南アフリカの変異ウイルスでは、軽度から中程度の症状を防ぐ効果は最小限だとする結果の概要を公表しています。

ジョンソン首相は8日、イギリス国内で接種が進められているこのワクチンを含む2種類のワクチンについて「重症化したり、死亡したりしないようにする効果があるという点であらゆる変異ウイルスに効果がある。自信を持っている」などと述べました。

また、保健当局のバン・タム次席医務官も記者会見で「われわれの今の脅威はイギリスで確認された変異ウイルスだ。現在接種が進むワクチンがこのウイルスに効果的だという根拠はいくらでもある」と述べました。

一連の発言はイギリス国内で広がる不安感を打ち消し、ためらわずにワクチンを接種するよう呼びかけるねらいがあるとみられます。