新型コロナワクチン バイク便も輸送を検討 自治体から相談受け

新型コロナウイルスのワクチンについて接種する施設への輸送が課題となる中、都内でバイク便を運営する会社では、自治体から依頼があった場合にワクチンの輸送に対応できるかどうか検討を進めています。

ワクチンの輸送について厚生労働省は輸送にかける時間を原則3時間以内としたうえで運送業者に委託することも認めていて、一部の自治体はバイク便やトラックでの輸送も計画しているということです。

こうした中、都内のバイク便などを運営する会社では2月に入って都内の2つの自治体からワクチンの輸送について相談の電話を受けたということです。

厚生労働省はアメリカの製薬大手ファイザーのワクチンについて医療機関などで専用の冷凍庫を使ってマイナス75度前後で保管し、必要に応じて2度から8度の冷蔵状態で接種を行う診療所などに輸送するよう自治体などに求めています。

この会社では実際に自治体から依頼があった場合には断熱材で囲った保冷ボックスに保冷剤を入れて対応し、2度から8度の冷蔵状態を保つため、保冷ボックスの中に入れた特殊な温度計でドライバーがスマートフォンで温度を確認すること、さらに発泡スチロールやゴム製の衝撃吸収剤で衝撃に対応することなどを検討しています。

ただ、より適切な方法で輸送するためにも具体的な指針を示してほしいとしています。

バイク便を運営する「ロジクエスト」の担当者、木戸善次郎さんは「最初にワクチンの輸送について相談があった時には大変なことだと思ったが、使命感を持って携わっていきたい」と話していました。

練馬区担当者「トラックとバイク検討」

厚生労働省が、新型コロナウイルスのワクチンを安全に輸送するための指針を作成する方針を決めたことについて、練馬区の住民接種担当課の中島祐二課長は「現在、トラックとバイクによる輸送を検討していて、事業者と詳細を積み上げていこうとしている。指針に沿った形で、輸送方法について臨機応変に対応したい」と話しています。

目黒区担当者「方法示してほしい」

目黒区新型コロナ予防接種課の吉田武広課長は「ワクチンの温度管理の面できちんと対応できるのか。多くの接種会場にきちんと温度を保ったまま安全に届けられる方法を示してもらえるのであれば参考にして対応したい」と話しています。