春闘 賃上げが重要 連合会長

ことしの春闘交渉が今月中旬から本格化するのを前に、連合の神津会長が会見し「賃上げの流れを断ち切ってしまうと、経済活動がより停滞悪化して人々の生活がさらに苦しくなる」と述べて、賃上げが重要だという考えを改めて示しました。

ことしの春闘で「連合」は定期昇給分を確保したうえで、基本給を引き上げる「ベースアップ」に相当する分として2%程度の賃上げを求めています。

一方、「経団連」は「コロナ禍で経営環境の先行きは不透明感が強い」として各社一律の賃上げに慎重な立場を示しています。

今月中旬から交渉が本格化するのを前に、連合の神津会長は5日、オンライン形式で記者会見を開き「コロナ禍の最前線で働く人たちの賃金水準などは必ずしもよくはない。危機を乗り越えるためにも、医療従事者などの暮らしを守ることが重要だ」と述べて「エッセンシャルワーカー」の待遇改善などを進めるために、賃上げが重要だという考えを改めて示しました。

そのうえで「『コロナだからとても賃上げできない』のひと言で終わってしまうと、将来世代への責任を果たすことができない。賃上げの流れを断ち切ってしまうと、経済活動がより停滞悪化して、人々の生活がさらに苦しくなってしまう。賃上げの流れを経済の好循環につなげていく、極めて重要な位置づけにある春闘だ」と述べました。

ことしの春闘は今月中旬に自動車メーカーなどの労働組合が経営側に要求書を提出し、交渉は本格化しますが、賃金の引き上げがどこまで実現できるのかや、雇用の維持が焦点となります。