衆院予算委 ワクチン接種 菅首相“必要な費用すべて国が負担”

国会は、4日から衆議院予算委員会で、新年度予算案の実質的な審議が始まりました。菅総理大臣は、今月中旬の開始に向けて準備を進めているワクチンの接種について、実務を担う自治体の準備に支障が出ないよう、必要な費用をすべて国が負担する考えを重ねて示しました。

令和3年度予算案の実質的審議始まる

国会では、4日から衆議院予算委員会で、菅総理大臣とすべての閣僚が出席して、一般会計の総額が過去最大の106兆円余りとなる、新年度=令和3年度予算案の実質的な審議が始まりました。

ワクチン接種に向けた体制整備

自民党の下村政務調査会長は、政府が今月中旬の開始に向けて準備を進めているワクチンの接種について「自治体が財政的な理由で必要な体制整備をちゅうちょすることがないように、財政力の差によって進捗(しんちょく)に差が生じることがないように、国が万全の体制をとるべきだ」と指摘しました。

これに対し、菅総理大臣は「すべての国民に安心して接種いただけるよう、徹底した準備を進めている。接種の実務を担うのは市町村であり、財政力の違いで準備に支障が生じることがないよう、接種に必要な費用はすべて国費で負担する。各自治体で万全の体制を確保できるよう、引き続き全力で支援していく」と述べました。

休業支援金「大企業の労働者も対象に」

また下村氏は、中小企業で働く人に支給される休業支援金について「緊急事態宣言下で、女性のアルバイト労働者などが困っている状況を見ると、対象者や期間を絞って、大企業労働者への拡充も検討してはどうか」と指摘しました。

これに対し、菅総理大臣は「大企業の中でも、パートやアルバイトなど雇用関係が弱い立場の皆さんから『休業手当を受け取れず困っている』との声が寄せられているのも承知している。大企業にあっても、休業手当を受け取りづらい勤務形態の方については、休業支援金の対象とすることとし、早急に対応を取りまとめさせたい」と述べました。

“望まない孤独”への対応は

自民党の鈴木貴子氏は「新型コロナによって生活が様変わりした。望まない孤独で苦しんでいる方はまだまだいる。そういった人たちにこそ光を当てるのが政治の責任で、1人でも減らしていくアプローチが必要だ」と指摘しました。

これに対し、菅総理大臣は「家で過ごす時間が増えたが、家族と心を通わすことができず、居場所が感じられないとか、オンライン授業が続いて友人やコミュニティーから隔離されてきているなど、いろんな孤独がある。孤独につながるリスクへの対応として、SNSの活用も含めて相談体制を確立するとともに、早期かつ予防的な対応を進めることが大事だ。絆で結ばれる社会を作りあげていく」と述べました。