イギリスで異なる2種類のワクチン接種する臨床試験実施へ

異なる種類の新型コロナウイルスのワクチンを同じ人に接種して安全性や有効性を確かめる臨床試験がイギリスで行われることになり、イギリス政府は日本円で10億円余りを支援することを明らかにしました。

現在、接種が進められている新型コロナウイルスのワクチンは、同じ種類のものを2回接種することになっていますが、供給量の確保が課題になっています。

こうした中、1回目と2回目で異なる種類のワクチンを接種して安全性や有効性を確かめる臨床試験をイギリスのオックスフォード大学などが中心となって始めることになりました。イギリス政府は、こうした研究は世界で初めてだとしていて、700万ポンド、日本円で10億円余りを支援すると発表しました。

臨床試験の期間は13か月で、1回目にアストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチン、2回目にファイザーとドイツのビオンテックが開発したワクチンを接種してどのような免疫反応が起きるのか検証するなど、接種の順番を入れ替えたり、間隔を変えたりして、800人を超えると見込まれる参加者を8つのグループに分けて安全性や有効性を調べるということです。

すでに倫理委員会や規制当局の許可を得ていて、今月中旬から接種を開始し、最初の結果は夏ごろに判明する見通しです。イギリス政府は結果次第では今後の接種計画を見直すことも検討するとしています。

研究チームの責任者は「2種類のワクチンが一緒に使えるようになれば、ワクチンを柔軟に供給できるようになる」とコメントしています。