“巣ごもり需要”で海運コンテナ不足 運賃上昇続く

新型コロナウイルスの影響で、自宅で使う商品の、いわゆる“巣ごもり需要”が世界的に高まっていることなどから、船による運搬に必要なコンテナが不足し、運賃の上昇が続いています。コンテナ不足が長期化すれば、輸送の遅れや物価の上昇につながるおそれもあります。

船による物流をめぐっては、自宅で使う商品の“巣ごもり需要”が世界的に高まっていることや、人手不足で港での荷揚げ作業が滞っていることから、荷物を積み込むコンテナの不足が深刻になっています。

この結果、海運各社によりますと、日本や中国からアメリカの西海岸に向かうコンテナ船の運賃は、去年12月の時点で、前の年の2倍以上に高騰しているということです。

こうした状況を反映して、日本の海運大手3社は、3日までに今年度1年間の最終的な利益の見通しを上方修正しました。

日本郵船はこれまでの予想のおよそ2.5倍にあたる900億円、川崎汽船は3倍余りの650億円、商船三井は3倍の600億円としています。

ただ、コンテナ不足の状況が長期化すれば、輸送に遅れが出たり、運賃の高騰を通じて商品の値上げにつながるおそれもあるということです。

オンラインの会見で日本郵船の丸山徹執行役員は「異常事態だ。空のコンテナだけを運ぶ船を運航するなど対策は行っているが、すぐに解決するのは難しい」と述べました。