東京メトロ 351億円赤字 民営化以来初 12月まで9か月間の決算

地下鉄の東京メトロが3日発表した去年12月までの9か月間の決算は、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減少し、最終損益が351億円の赤字と、この時期としては2004年の民営化以来、初めての赤字となりました。

東京メトロが発表した去年4月から12月までの9か月間のグループ全体の決算は、いずれも前の年の同じ時期と比べて、売り上げが33%減少して2215億円、最終的な損益は497億円の黒字から一転して351億円の赤字となりました。

9か月間の決算で最終赤字になるのは2004年に民営化して以来、初めてです。

新型コロナウイルスの影響で、定期券の利用者が前の年の同じ時期より29%、それ以外の利用者も43%減少したことが主な要因です。

東京メトロは、経営の安定化に向けて、安全の確保を前提に今年度の設備投資をおよそ290億円削減したり、役員報酬や広告宣伝費を減らしたりしています。

東京メトロは、例年どおり1年間の業績予想は出していませんが、「緊急事態宣言が再び発出され、今後の感染拡大や収束時期を予測することは一層困難となっている」としています。