新型コロナ 11都府県の6指標の状況(2月1日現在)

政府の分科会は感染状況を示す4つのステージのうち、どのステージにあるか判断するための指標として、「病床のひっ迫具合」、「療養者数」、「PCR検査の陽性率」、「新規感染者数」、「直近1週間と前の週の感染者数の比較」、「感染経路が不明な人の割合」の6つを挙げています。

内閣官房によりますと、今月1日時点で、緊急事態宣言が出た11の都府県では、多くの自治体が複数の指標で最も深刻な「ステージ4」の目安の値を超えています。

なお、「病床のひっ迫具合」については、自治体の中にはすぐに受け入れることができる「即応病床数」をもとに、国とは異なる値を公表しているところもあります。

病床のひっ迫

まず病床のひっ迫具合です。

病床使用率はステージ3が20%、ステージ4は50%が目安です。

病床全体の使用率は
▽東京都で72%
▽埼玉県で70%
▽千葉県で59%
▽神奈川県で59%
▽栃木県で47%
▽愛知県で65%
▽岐阜県で48%
▽大阪府で70%
▽兵庫県で74%
▽京都府で35%
▽福岡県で73%です。

このうち重症者用の病床は
▽東京都で113%
▽埼玉県で36%
▽千葉県で27%
▽神奈川県で54%
▽栃木県で37%
▽愛知県で45%
▽岐阜県で27%
▽大阪府で63%
▽兵庫県で54%
▽京都府で35%
▽福岡県で35%
となっています。

療養者数

続いて療養者数は人口10万人当たり、ステージ3が15人、ステージ4は25人が目安です。

▽東京都で84人
▽埼玉県で53人
▽千葉県で88人
▽神奈川県で34人
▽栃木県で24人
▽愛知県で32人
▽岐阜県で22人
▽大阪府で54人
▽兵庫県で35人
▽京都府で52人
▽福岡県で48人です。

検査陽性率

最近1週間のPCR検査などの陽性率です。

目安の値はステージ3、ステージ4ともに10%です。

▽東京都で7.1%
▽埼玉県で5.1%
▽千葉県で8.7%
▽神奈川県で11.3%
▽栃木県で3.4%
▽愛知県で6.5%
▽岐阜県で4.6%
▽大阪府で5.3%
▽兵庫県で7.6%
▽京都府で6.2%
▽福岡県で5.4%となっています。

新規感染者数

人口10万人当たりの新規感染者はステージ3が15人、ステージ4は25人が目安です。

▽東京都で41人
▽埼玉県で24人
▽千葉県で32人
▽神奈川県で28人
▽栃木県で9人
▽愛知県で16人
▽岐阜県で13人
▽大阪府で25人
▽兵庫県で19人
▽京都府で26人
▽福岡県で20人となっています。

直近1週間と前の週の新規感染者数の比較

直近の1週間と、その前の週の感染者数の比較は、目安の値はステージ3、ステージ4ともに1倍です。

▽東京都で0.73倍
▽埼玉県で0.71倍
▽千葉県で0.69倍
▽神奈川県で0.62倍
▽栃木県で0.60倍
▽愛知県で0.78倍
▽岐阜県で0.77倍
▽大阪府で0.68倍
▽兵庫県で0.70倍
▽京都府で0.76倍
▽福岡県で0.65倍となっています。

感染経路不明者の割合

最後に感染経路が不明な人の割合です。目安の値はステージ3、ステージ4ともに50%です。

▽東京都で42%
▽埼玉県で34%
▽千葉県で60%
▽神奈川県で45%
▽栃木県で67%
▽愛知県で36%
▽岐阜県で12%
▽大阪府で35%
▽兵庫県で38%
▽京都府で13%
▽福岡県で45%でした。

病床使用率 国と自治体で異なる数字 差が大きいケースも

新型コロナウイルスによる病床使用率には厚生労働省と内閣官房がそれぞれ発表する数字のほか、自治体がまとめた数字もあり、時には差が大きいケースもみられます。

入院によってどれだけ病院のベットが埋まっているかみるための指標として、厚生労働省と内閣官房、それに自治体はそれぞれ病床使用率を発表しています。

内閣官房がまとめている、ステージ3とステージの指標の数値と比較できるよう速報的に示している値によりますと、先月27日時点の神奈川県では病床全体の使用率は48%、重症者用の病床使用率は53%となっています。

厚生労働省のまとめでは病床全体の使用率は60%、重症者用の病床使用率は55%となっています。

一方、県のまとめではすぐに使うことができる病床数を即応病床数として発表していて、これをもとに計算すると病床全体の使用率が85.5%、重症者では使用率は92.1%となります。

京都府については、内閣官房と厚生労働省はいずれも病床全体の使用率は38%、重症者用の病床では41%としています。

一方、京都府はすでに確保しているか、すぐに使うことができる即応病床数でも計算していて、即応病床数を基にした病床全体の使用率は86.1%としています。

また、重症者の病床使用率は17.4%で、高度な治療を必要とする重症患者用の病床を高度重症病床使用率として39.5%としています。

さらに、重症患者のカウントのしかたなどから一部の数字が大きく異なるケースもあります。

先月27日時点の東京都の重症患者の病床使用率は、内閣官房は107%、厚生労働省は113%としています。

一方、東京都は63.6%としています。

背景には重症患者のカウントの基準が国と都で違うことがあります。

病床使用率としてさまざまな数字が示されている現状について、厚生労働省の担当者は「それぞれの組織が目的に応じて数字を算出していて、専門家の委員会は厚生労働省のまとめた数字で議論をしている。分かりやすさも必要だと感じている」としています。