菅首相が陳謝 深夜まで飲食店に出入りの与党議員が辞職や離党

新型コロナウイルス対策の特別措置法などの改正案は、参議院で審議入りしました。緊急事態宣言が続く中、深夜まで飲食店に出入りしていた与党議員が辞職や離党をしたことについて、菅総理大臣は本会議で「あってはならないことで遺憾だ」と述べ陳謝しました。

緊急事態宣言が続く中、先月、深夜まで銀座のクラブに出入りしていたなどとして1日、公明党の遠山清彦・衆議院議員が辞職し、松本・元国家公安委員長ら、自民党の衆議院議員3人が離党しました。

2日の参議院本会議で、立憲民主党の木戸口英司氏は「コロナ禍で苦しむ国民を愚弄するものだ。総理・総裁としての責任は大きく、国民にどう申し開きするのか」とただしました。

菅総理大臣は「国民に、理解と協力をお願いしている中、政治家は率先して範を示すべきで、こうした行動はあってはならず極めて遺憾だ。私からも国民の皆様に心からおわびを申し上げる」と陳謝しました。

そのうえで「いま一度、身を引き締め、新型コロナ対策に全力を尽くす」と述べました。

また、今月7日が期限の緊急事態宣言について、菅総理大臣は「宣言により新規感染者数も減少が続いており、飲食による感染リスクへの対策の成果が現れている」と述べました。

そのうえで「きょう、専門家による『諮問委員会』を開催し、宣言の対象区域と期間を諮ることになっている。まずは『ステージ4』を早急に脱却することを目指し、解除後も、必要な対策を継続しさらなる感染者数の減少を目指していきたい」と述べました。

萩生田文部科学相「国民の皆さんにおわび」

萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、田野瀬・前文部科学副大臣が更迭されたことについて「緊急事態宣言下における内閣の一員の行動として極めて軽率だ。このような事案が起き大変残念であり、大変申し訳ない。大臣として改めて国民の皆さんにおわびを申し上げたい」と述べました。

一方、後任の丹羽副大臣については「過去にも文部科学副大臣を経験していて、コロナ対策をはじめ取り組むべき課題が山積する中で適任だ。存分に力を発揮してもらえると期待している」と述べました。

麻生副総理「極めて不謹慎だ」

麻生副総理兼財務大臣は2日の閣議のあとの記者会見で「政府として緊急事態宣言を1月7日に出し、皆さんに夜の8時以降の外食は控えるようにと自粛をお願いしている最中に起きている。極めて不謹慎だ、もしくは軽率とのそしりを免れない」と述べました。

自民 二階幹事長「論外だ」

自民党の二階幹事長は記者会見で「国会議員は国民の模範とならなければならない立場であり、論外だ。子どもではないので党がどうこう言う話ではないが、それぞれが胸に手を当ててみずから律してもらいたい」と党内に注意喚起しました。

また、離党した議員らが次の衆議院選挙で立候補を予定していた選挙区については地方組織や公明党と協議して対応を検討する考えを示しました。

一方、各地の地方選挙で党が推す候補者の敗北が続いていることに関連し二階氏は「衆議院選挙への影響が全くないとは言わないが、直接すぐに何らかの影響があるとは考えにくい」と述べました。