小学生が作った2万羽の「万羽鶴」巡回展示へコロナ終息願って

新型コロナウイルスの早期の終息を願って、千葉県中部にある4つの市の小学生が作ったおよそ2万羽の折り鶴「万羽鶴」が完成し、今月から巡回展示されることになりました。

この「万羽鶴」は、千葉県木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市の4つの市で、子どもたちが参加するスポーツ大会やイベントなどを開いてきた地元の青少年相談員の団体が、子どもたちに呼びかけて制作しました。

きっかけは、コロナ禍で子どもたちが参加するイベントが開けなくなり、感染を心配せずに思い出に残る取り組みをしたいという、青少年相談員たちの思いでした。

折り鶴は、4つの市の小学校合わせて50校の3年生以上の児童、およそ1万1千人に折ってもらいました。そして、地元の青少年相談員140人ほどが糸を通して、およそ2万羽の万羽鶴として完成しました。

中には翼の部分に「コロナよ、おさまれ」とか、「コロナしゅうそく」などという書き込みもありました。

全校児童65人の君津市にある小糸小学校の4年生のクラスでは学級活動の時間を使って鶴を折りました。折りかたを先生や友達に教えてもらい、休み時間も使って鶴を折る児童もいたということです。

この小学校は、4月から隣の小学校と統合され、すべての児童が新たな小学校に通うことになっていることから、「万羽鶴」づくりはいい思い出になったということです。

4年生の女子児童は「友達とこの学校で仲よくできるのはもう少しだけど、仲よく折り鶴を折れたので楽しかった」と振り返っていました。

金丸尚樹教諭は「コロナ禍でさまざまなイベントや校外学習が中止になってしまったので、『万羽鶴』づくりで少しでも違う形で人とつながることができました」と、青少年相談員に感謝していました。

木更津市の青少年相談員連絡協議会の森廣賢一会長は「子どもたちは集まることができないので、一人一人に鶴に思いを込めて折ってもらいました。『万羽鶴』を多くの人に見ていただき、コロナ禍を吹き飛ばそうという思いが伝わってほしいです」と話していました。

この「万羽鶴」は、今月12日に袖ケ浦市役所を皮切りに、4つの市の役所や図書館、それに商業施設などで巡回展示される予定です。