EU 「アストラゼネカがコロナワクチン900万回分の追加供給へ」

EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は、イギリスの製薬大手、アストラゼネカから900万回分の新型コロナウイルスワクチンの供給を追加で受けると明らかにしました。このワクチンはEUへの当初の供給量が予定を大幅に下回る見通しになり、EUが強く反発していました。

アストラゼネカの新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては1月、会社側がEUへの当初の供給量が予定の半分以下になると通告したのに対してEUは強く反発し、予定どおり供給するよう求めてきました。
双方が協議を続けた結果、EUのフォンデアライエン委員長は31日、アストラゼネカがヨーロッパでの生産態勢を強化し、900万回分の追加供給を受けることになったとツイッターに投稿しました。

これでアストラゼネカがEUに供給するワクチンは、3月末までに4000万回分になります。

フォンデアライエン委員長は「1歩前進だ」と歓迎していますが、当初の供給量は、なお予定には届いていません。

EUは、ほかの会社のワクチンも含めて域内への供給が遅れている事態を受けて、域内で生産されたワクチンを輸出する場合には、事前申告と許可を必要とする措置を導入すると先週発表しましたが、この措置をめぐっては輸出の制限につながるとして懸念の声も上がっています。

加藤官房長官「必要量確保へ各企業と調整」

加藤官房長官は午前の記者会見で「情報収集を行いつつ、EUに対し、日本への供給に支障が生ずることがないよう申し入れを行っている。日本に供給されることになっているワクチンのうち、EUの工場で製造されている数量などの情報は、各企業との間で秘密保持契約を締結しているので差し控えたいが、引き続き必要な数量の確保に向けて各企業と調整を図りたい」と述べました。

また「アストラゼネカ」が国内で製造するワクチンについて「海外向けではなく、国内向けに生産されるものと承知しており、その旨が厚生労働省に報告されていた」と述べました。