国の債務超過 13年連続で過去最大を更新 昨年度末 591兆円余

財務省が民間企業の決算様式でまとめた昨年度・2019年度末の国の財政状況によりますと、負債が資産を上回る債務超過の額は591兆円余りと、13年連続で過去最大を更新しました。今年度は、新型コロナウイルス対策で国債の発行額が増えているため、債務超過の規模は、さらに膨らむ可能性が高まっています。

財務省は、国の財政状況を分かりやすく示すため、一般会計と特別会計を合わせた財務内容を民間企業の決算様式にならって「国の財務書類」としてまとめています。

それによりますと、昨年度末の時点では「負債」が財源不足を補う国債の発行などに伴って、前の年度より15兆円余り増えて、1273兆700億円余りでした。

一方、道路などのインフラや有価証券などの「資産」は、政府が保有する外国債券の評価額が増えたことなどから、6兆円余り増えて、681兆2600億円余りでした。

この結果、負債が資産を上回る債務超過の額は、8兆円余り増えて591兆8000億円余りと、13年連続で過去最大を更新しました。

今年度・2020年度は、新型コロナウイルス対策のため、3回の補正予算を編成し、国債の新規発行額は初めて100兆円を超えることになりました。

このため、今年度は国の債務超過の規模がさらに膨らんで、将来世代の負担が一段と重くなるおそれが高まっています。