世界の観光業 去年の損失135兆円余と推計 コロナの影響で

新型コロナウイルスの影響で、外国に旅行する人が減ったことによる世界の観光業の損失が去年1年間で135兆円余りに上ると推計されることがUNWTO=国連世界観光機関のまとめで分かりました。

UNWTOによりますと、新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が世界的に制限された影響で、去年1年間に外国に旅行をした人は前の年よりおよそ10億人減り、これによる世界の観光業の損失は1兆3000億ドル、日本円で135兆円余りと推計されるということです。

これはリーマンショック後の2009年の11倍以上にのぼるということです。

去年1年間に外国に旅行した人の数を地域別にみると、
▽アジア太平洋が84%、
▽アフリカと中東で75%、
▽ヨーロッパで70%、
▽南北アメリカで69%、それぞれ前の年より減少しています。

こうした影響で、観光業に関わる人のうち、1億人から1億2000万人が仕事を失うおそれがあり、特に中小企業への影響が深刻だということです。

UNWTOは、去年は「観光史上最悪の年だった」としていて、外国に旅行する人の数が感染拡大前のおととしの水準に戻るには、2年半から4年はかかると予想しています。