「粗鋼」生産量 51年ぶりの低水準 車向け生産落ち込みなどで

鉄鋼製品のもとになる「粗鋼」の去年1年間の生産量は、新型コロナウイルスの影響で自動車向けの生産が落ち込んだことなどから、前の年より16%減少し、51年ぶりの低い水準となりました。

鉄鋼メーカー各社で作る日本鉄鋼連盟によりますと、去年1年間の粗鋼の生産量は前の年より16%少ない8319万トンにとどまり、6年連続で減少しました。

これはリーマンショック直後の2009年の生産量を下回っていて、1969年以来、51年ぶりの低い水準です。

新型コロナウイルスの影響で主力の自動車向けの鋼材の生産が落ち込んだことに加えて、ホテルやビルなどの建築向けも低調だったことが主な要因です。

国内の粗鋼生産量は自動車の生産が回復していることもあって、足元では持ち直しの動きが出ていて、大手鉄鋼メーカーは休止していた高炉を再稼働させるなどしています。

今後の見通しについて日本鉄鋼連盟は「感染の再拡大や政府による緊急事態宣言の影響への注視が必要だ」としています。