アメリカ 2020年GDP 前年比マイナス3.5% 74年ぶりの低水準に

アメリカの去年のGDP=国内総生産の伸び率の速報値は、前の年と比べてマイナス3.5%と、74年ぶりの低い水準でした。新型コロナウイルスの感染拡大が経済に及ぼした影響の大きさを示しています。

アメリカ商務省が28日発表した去年、2020年のGDP=国内総生産の伸び率の速報値は、物価の変動を除いた実質で、前の年と比べてマイナス3.5%でした。

マイナス成長はリーマンショックのあとの2009年以来11年ぶりで、マイナスの水準は、第2次世界大戦直後の1946年以来、74年ぶりの低さとなっています。

内訳をみますと、
▽個人消費がマイナス3.9%、
▽企業の設備投資がマイナス4.0%、
▽輸出がマイナス13.0%と、いずれも悪化しました。

アメリカは新型コロナウイルスの累計の感染者が2500万人、亡くなった人も42万人を超え、いずれも世界で最も多くなっていて、さまざまな経済活動の制限が景気に与えた影響の大きさを裏付けました。

一方、先月までの3か月間のGDPの伸び率は、年率に換算した実質の速報値で前の3か月と比べてプラス4.0%で、前の期と比べると改善幅が大きく縮小しました。

アメリカ経済は去年の後半から回復に向かっていますが、冬場に入ってからの感染再拡大で改善のペースが鈍っていて、新型ウイルスのワクチンの普及などが先行きを見るうえで大きなカギになっています。