新型コロナ ワクチン集団接種 どんな流れ?

海外ではすでに接種が始まり、日本でも集団接種に向けて準備が進む「ワクチン」。
どんな流れで接種を受けられるのでしょうか?

接種までの流れ

ワクチンの接種は、国の指示のもとで市町村など自治体が行うとされています。

接種を希望する人は、原則として住民票を登録している自治体で受けることになりますが▽単身赴任している人や▽入院している人などは、例外的にほかの自治体での接種が認められます。

接種を受けるのに必要なクーポンは自治体から順次、自宅に郵送されます。このクーポンを持参すると、無料で接種を受けることができます。

受け取ったあと、電話などで予約します。
接種会場となるのは▽医療機関や▽公民館や体育館などです。

集団接種の会場では、まず受付で自治体から届くクーポンを提示し、運転免許証や保険証などで本人確認が行われます。

次に健康状態や、これまでにかかった病気などを問診票に記入し、接種が可能かどうかを判断する医師による「予診」があります。

ここまで問題がなければワクチンの接種を受けられます。
ワクチンの接種には1人あたり1、2分程度かかると見込まれています。

接種を終えた人は日付などが記された「接種済証」を受け取ります。
「接種済証」には、どのワクチンを接種したかなどの情報が記載されていて、2回目の接種を受ける際に必要になるということです。

注意が必要なのは、接種が終わってもすぐに帰宅できるわけではないということです。
厚生労働省は、接種後、15分以上、その場で経過観察を行うよう求めていて、接種を終えた人たちは、会場に設けられた専用のスペースで待機することになっています。

海外では、日本への供給が計画されているワクチンについて、接種後に、頭痛やけん怠感などの症状が見られたことが論文などで発表されています。
また、アメリカなどでは、ワクチンの接種を受けた人にまれに「アナフィラキシー」という急激なアレルギー反応が出たケースも報告されています。

接種後、体調に変化が出た場合は、会場に併設されている救護室にいるスタッフに対応してもらえるということです。

全国初 集団接種の会場を想定したシミュレーション

かつてない規模の集団接種になるため、各自治体では接種に向けた準備が進められています。
このうち川崎市では、1月27日、厚生労働省と協力して、全国初となる集団接種の会場を想定した訓練を行い、接種にかかる時間の検証や人の密集具合を確認しました。

訓練には、医師や看護師、それに市の職員などおよそ60人が参加し、受け付けから問診票への記入、ワクチンの接種、そしてその後の経過観察まで一連の流れを確認しました。
この中では接種の前に医師が問診するスペースで相談が長引く様子も見られ、市の関係者は、対応するスタッフの人数を増やすなど対策が必要だと話していました。

今後の予定は?

厚生労働省は1月25日、ワクチンの接種体制の整備について、改めて想定のスケジュールを示しました。

それによりますと、ワクチンが承認されれば▽できるかぎり来月(2月)下旬から、1万人から2万人程度の医療従事者に先行して接種を始めたいとしています。

続いて▽3月中旬をめどに医療従事者およそ370万人に、
▽3月下旬をめどに65歳以上の高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保し、
▽その後、基礎疾患のある人などを優先しながら順次、接種を進めるとしています。