病院長解任をめぐり 旭川医科大学が会見 解任の病院長は反論

旭川医科大学の学長が、新型コロナウイルスの感染が広がっていた民間病院を名指しして不適切な発言をしたとされる問題で、大学は会議の情報を外部に漏らしたなどとして大学病院の病院長を解任し、記者会見で経緯を説明しました。

一方、解任された病院長は、「不利益な処分を受ける証拠は何もない」と反論しています。

旭川医科大学の吉田晃敏学長を巡っては、学内の会議で新型コロナウイルスのクラスターが発生していた民間病院を名指しし、「コロナをまき散らして」などと発言したとされるほか、新型コロナの感染者を受け入れるよう求めた大学病院の古川博之病院長の進言を拒んだ上で、病院長を退くよう迫ったと一部で報じられました。

この問題で大学は、会議の情報を外部に漏らしたなどとして古川病院長を解任し、26日、記者会見を開いて経緯を説明しました。

この中では吉田学長が一連の混乱を陳謝したうえで、複数の関係者の証言から、古川病院長が会議をひそかに録音して外部に漏らしたと結論づけたとしています。

また吉田学長が新型コロナの感染者の受け入れを拒否したとされる問題については、病室の準備などが整っておらず、旭川市にも相談したうえで見送ったものだと反論しました。

そのうえで、古川病院長は繰り返しマスコミの取材を受け、学内を混乱させたなどと解任の理由を説明しました。

さらに吉田学長は、民間病院に関する発言について「一部が切り取られ誤解を与えてしまった」と釈明しました。
一方、古川病院長は、NHKの取材に対し、「不利益な処分を受ける具体的な証拠は何もないと考えている。リーダーシップをとって感染防止対策などにあたってきた自分を解任することは、地域医療をないがしろにしているとしか思えない」と反論しています。