旭川医科大学が病院長を解任 学長発言を外部に漏らしたとして

北海道の旭川医科大学の学長が、学内の会議で、新型コロナウイルスのクラスターが発生していた民間病院について「コロナをまき散らして」などと発言したとされる問題で、学長の発言の内容を外部に漏らしたとして、旭川医科大学病院の病院長が解任されたことがわかりました。

この問題は、旭川医科大学の吉田晃敏学長が学内の会議で、新型コロナウイルスのクラスターが発生していた民間病院を名指しし「あの病院がなくなるしかない」「コロナをまき散らして」などと発言したとされるものです。

関係者によりますと、この問題をめぐって大学は今月15日に役員会を開き、学長の発言の内容を外部に漏らしたとして、旭川医科大学病院の古川博之病院長に辞任するよう求め、拒否されたため、解任を通告していたということです。

そして、大学は25日、職員向けの説明会を開き、古川病院長を解任したことを伝えたということです。

NHKの取材に対して古川病院長は「十分な反論を受け入れず、具体的な証拠を欠いた中で辞任を迫り、解任したことは、真実隠しと思わざるをえない。新型コロナの感染対策を行ってきた自分を解任したことは、地域医療をないがしろにしているとしか思えない」と強く反論しています。

旭川医科大学は26日午後、記者会見を開き、一連の経緯について説明するとしています。

旭川医科大学の吉田学長の発言をめぐっては、文部科学省も事実関係の確認を進めています。

萩生田文科相「冷静な対応を学内で」

萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で「吉田学長の言動に関する報道について、先月25日付けで大学に事実関係の確認を求める文書を出し、回答を得たので、その内容を精査している」と述べました。

そのうえで「執行部トップがこういう形で言い争うことは、道民や利用される患者に不安を与えるのではないか。ぜひ冷静な対応を学内できちんとしてほしい」と述べました。