日米欧 台湾に半導体の増産要請 世界的不足で自動車減産広がる

世界的な半導体不足を背景に自動車メーカーの間で減産が広がっていることを受けて、日本を含む各国が、大手半導体メーカーがある台湾に供給の増加を要請していることが分かりました。台湾の当局は、半導体メーカーに協力するよう求めたということです。

台湾の経済部によりますと、要請は去年の年末から始まり、日本やアメリカ、それにヨーロッパから寄せられているということです。

経済部は「各国の世界的な自動車メーカーは台湾の半導体メーカーの直接の顧客ではない」としつつ「車向けの半導体の供給不足の問題についてすでにメーカーと話し合い、全力で協力するよう求めた」としています。

現地のメディアによりますと、半導体の受託生産で世界最大手の台湾メーカー、TSMCは、需要に応えられるよう努めるとの立場だということです。

新型コロナウイルスの影響で世界の自動車販売は一時記録的に落ち込みましたが、その後急速に持ち直した結果自動車向けの半導体が不足する事態になり、自動車メーカーの間に減産の動きが広がっています。

TSMCは今月14日の決算発表の場で「自動車産業の需要の急回復によって、短期的には供給能力のタイトな状態がさらに鮮明になるだろう」という見通しを示していました。

梶山経産相 大手メーカーある台湾に供給増加を働きかけ

自動車向けの半導体が世界的に不足していることについて、梶山経済産業大臣は26日の閣議のあとの記者会見で「政府としては、自動車業界と連携したうえで、日本台湾交流協会を通じて台湾当局に対し、メーカーの増産に向けた働きかけを行っており、引き続き状況を注視したい。まだ供給不足が続いている状態だと思う」と述べ、大手半導体メーカーがある台湾に供給の増加を働きかけていることを明らかにしました。