日本経済が戻る時期 「来年前半」が最多 企業100社アンケート

NHKが主な企業100社を対象に行ったアンケートで、日本経済が新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に戻る時期の見通しについて、半数近くの企業が「来年・2022年」の前半か後半と回答し、感染拡大が収束しない中、経済の回復に対する企業の厳しい見方を示しています。

NHKは、先月23日から今月15日にかけて主な企業100社を対象にことしの春闘などに関するアンケートを行い、すべての会社から回答を得ました。

この中で、国内の景気の現状について認識を尋ねたところ、「横ばい」が41社で最も多く、次いで「緩やかに拡大」が35社、「緩やかに後退」が16社、「後退」が4社、「拡大」はゼロでした。無回答は4社でした。
「横ばい」と答えた企業にその理由を複数回答で尋ねたところ、「個人消費の伸び悩み」が80.5%、「外出自粛や営業時間の短縮要請」が61%、「欧米経済の回復が不十分」が29.3%などとなりました。

半年後の国内景気の見方については「緩やかに拡大」が67社で最も多く、「横ばい」が17社、「緩やかに後退」が2社、「後退」が1社、「拡大」はゼロでした。無回答は13社でした。

「緩やかに拡大」と答えた理由では、経済活動の再開や個人消費の伸びを挙げる企業がいずれも6割を超えました。
一方、日本経済が感染拡大前の水準に戻る時期について尋ねたところ、「2022年前半」が最も多く27社、「2022年後半」が19社で、来年・2022年の間と考えている企業があわせて46社と半数近くにのぼり、感染拡大が収束しない中、経済の回復に対する企業の厳しい見方を示しています。

このほかの回答は「2023年後半」が12社、「2021年後半」と「2023年前半」がいずれも7社、「2024年」が4社、「2025年以降」が1社、「2021年前半」はゼロでした。無回答は23社でした。

ベースアップは2社にとどまる

一方、賃金について、基本給を一律に引き上げるベースアップを行うとした企業が2社にとどまるなど新型コロナウイルスの感染の収束が見通せないなか、賃上げに慎重な姿勢が浮き彫りになりました。

春闘に向けた考え方を複数回答でたずねたところ、基本給を一律で引き上げる「ベースアップ」を行うと回答した企業は2社にとどまりました。

また「定期昇給」は19社、「賞与・一時金の引き上げ」と答えた企業は3社で、「その他」と回答した企業が最も多く61社に上り、このうち39社が未定としています。

ベースアップや定期昇給などを行うとした企業でも「前の年を上回る水準」という回答はゼロとなり、新型コロナウイルスの感染の収束が見通せないなか、賃上げに慎重な姿勢が浮き彫りになりました。