成田と中国の南京結ぶ便就航 春節前に在日中国人ら利用

成田空港と中国の南京とを結ぶ便が22日就航し、来月の「春節」を前に一時帰国する日本在住の中国人など100人余りが利用しました。一方、専門家は変異した新型コロナウイルスが日本に入り込むことを防ぐために、ことしの春節での往来について控える必要があると指摘しています。

成田空港を拠点とするLCC=格安航空会社の春秋航空日本は、来月の旧正月の「春節」を前に、日本で暮らす中国人の一時帰国の需要を取り込もうと、22日、成田と中国の南京とを結ぶ便を就航させました。

成田空港を出発した第1便の乗客は日本在住の中国人など116人に上り、定員のおよそ8割が埋まったということです。

成田空港は、新型コロナウイルスの感染拡大による国際線の運休や減便で閑散とした状態が続いていますが、この第1便の搭乗口には乗客の行列ができ、感染防止のため白い防護服を着た人の姿も見られました。

政府は新型コロナウイルスの水際対策で今月14日から外国人の日本への入国を全面的に制限していますが、在留資格がある外国人などの再入国は引き続き認めています。

日本に再入国する際には自宅や宿泊施設での14日間の待機や位置情報の保存などの誓約を求めています。

春節を前に中国・浙江省の実家に帰省する23歳の留学生の男性は、「新型コロナの影響もあり長期間、帰国していないので、久しぶりに家族で食事などをするのが楽しみです。日本に戻ったときには14日間、自宅で待機し、感染拡大の防止に気をつけたいです」と話していました。
一方、ことしの春節での往来について国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「日本国内で感染経路が分からない変異ウイルスの感染者が確認されている今の状況では、これ以上ウイルスが入り込むことを防ぐために、往来をストップする必要があるのではないか」と指摘しています。

また中国政府は「春節」を前に各地で感染が広がることに危機感を強めていて、国民に対してできるだけ帰省しないよう呼びかけています。